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ドラゴンを求めて〜スターフェリーにセンチメンタルジャーニーな4日目〜

マカオの朝は名物のサクサクエッグタルトから始まった

「マーガレット カフェ・エナタ」のエッグタルトと甘い紅茶で脳にダイレクトに糖分をぶちこんで、マカオの朝は始まりました。

少しお土産を見て、午前中にタイパのフェリーターミナルから香港へ戻った。

帰国は明日。香港ではまだ行きたいところ、観たいもの、食べたいものが沢山あった。

でも時間(と体力)は限られている。
行きたい場所を大量にピンしたGoogleマップと睨めっこ。
マップの左上端は映画「燃えよドラゴン」で有名なセリフ「考えるな、感じろ」のシーンが撮影された寺院
しかし、Don't think. Feeeeeel のロケ地は中心街から遠かった……。
セリフの意味に反して、めちゃくちゃ考えた挙句、泣く泣く諦めることに
香港に着いたら、荷物を置きにホテルにチェックイン
最終日に宿泊するホテルは天后駅前の「Nina hotel causeway bay」。

「広っ!!!!!!」
誰かの家に迷い込んだ???と錯覚するほど、ホテルは広かった。
一泊16000円ぐらいのキングルームを予約していたみたい。高いのに部屋は微妙という、昨今の難易度高い香港ホテル事情という名の蜘蛛の巣を掻い潜り、最後の最後に見事に値段に見合った(それ以上か!)ホテルにありつく。そして、4人部屋のホステルに泊まっていた学生時代の海外旅行との差よ。
バスルームにはバスタブがあった。シャワーは別の部屋にあった。その間、徒歩約20秒。

街に繰り出し、トラムに初乗車

上記の大量の行きたい場所リストを取捨選択した結果、この日はトラムスターフェリーに乗ること、そして香港飲茶のお店に行くことに絞った。名付けて、「乗り物飲茶デー」。

トラムで北角の春秋街まで

トラムの窓から感じる生暖かい風が気持ちよかった。東京にも環七沿いとかにトラム走らせてほしい。
スターフェリーに乗る前に雑貨屋巡り。

平成原宿女子なつかしの文化屋雑貨店!日本のはなくなったけど、香港では生き続けてました
違う雑貨屋では可愛いお皿をチェック

夕方、九龍側のスターフェリー乗り場に来ました。

1888年から九龍と香港島を結ぶスターフェリー
今年は元日から悲しい出来事が連続して起こり、仕事柄、ずっと忙しかったし、色々と思うことも沢山あった。
夕日を見て、その全てに思いを馳せて泣いた

スターフェリー、1950年代の船で就航し続けていてノスタルジィの塊でたまらなかった。グリーンとアイボリーのデザインも良い……。

どうせ乗るなら、夜景を見ながら乗りたい。そういうことで、九龍で飲茶探し。自称下調べの鬼(旅行に関しては)なのに、飲茶のお店はちゃんと調べていなかった。
最後の晩餐は、適当に見つけたお店に入りました。

それが個人的に大当たりだった
チュルチュルの腸粉、モチモチのエビとニラの蒸し餃子、ムチムチのハチノスのサテーソース蒸し。もちろんビールも

今流行りのQRコードで注文。店内は空いていた。
チュルチュルモチモチムチムチ
オノマトペそのままの食感で本当においしくて感動。日本に帰国後、有名な香港飲茶のお店にいくつか行ったが、美味しさはこの店には勝てなかった(あくまで個人的に)

コリコリ
しかし、モチモチの蒸し餃子と食べていると明らかに食べ物ではない固いものを噛んだ感じがした。

異物(鉄屑)混入!だけど、美味しすぎてあと3つくらい入ってても全然許容できる。むしろ、鉄分不足なのでありがとうみたいな

お腹いっぱいになったところで、先ほどのフェリー乗り場に向かって、香港島の中環行きのフェリーに乗る。

香港ノスタルジィがぎゅっと詰まった約10分間の船旅。50年以上前の船に乗って、時代の移り変わりが激しい香港の夜景を船窓からぼーっと見たその数分間の濃密さは言葉に表せないほど、素晴らしいものだった。この船が大好きになった。

ちょっとセンチメンタルな気持ちになりながら、中環フェリーターミナルを降りた。すると、何やら哀愁漂う歌が聞こえてきた。

ただのカラオケおじさんなのかそれとも路上ライブをするアーティストなのか、私には分からないけど、切ない歌いっぷりが私のおセンチな気持ちを加速させる。思わず聞き入ってしまった。
今回の香港旅のメインテーマにします。

おじさんの歌を聴きながら、ホテルに向かうため、電車の駅まで歩く。ふと前を見た。

ホテル「マンダリンオリエンタル香港」が見えた。レスリー・チャンが自ら命を絶った場所。ここの24階の窓から見えたものが彼が最後に見た景色だった。

身を投げる恐怖を上回るものが彼の中にずっと渦巻いていたんだなと改めて。もし、生きていれば、70歳近いのか。まだまだ観たかったな。

レスリーの曲を聴きながら、電車に乗って、他人の家みたいな広さのホテルに到着。ここにきて初めて寂しさを覚える。

おセンチな気持ちとともに最後の夜を過ごす。
バスタブにお湯をためて、勢いよく入ってみた。
静かな広い部屋に溢れたお湯が流れる音だけが響いた。

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