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もし私に分身がいたなら、あの時に戻って別の人生を歩んでほしい

これまでいくつかの仕事を経験してきました。
全て自分で決めて自分で選んだ仕事です。
何も後悔はしていません。

ですが、最近になって一つだけ

「もしあの時、あのお誘いされた仕事を選んでいたら…」

と思い返すことがあります。


私が海外旅行の仕事をして、その時初めての女性上司だったことは以前にお話ししました。

その仕事を始めるほんの1か月前のことです。
失業中の私は海外旅行経験者の友人から誘われて、初めて海外旅行に行くことになりました。

行先はニューヨーク。
世界的に有名な観光地ということもあり、刺激的な街でした。
旅慣れている友人のおかげもあって楽しかったのかもしれません。
私はすっかり海外旅行に魅了されてしまいました。

帰国後、新しい仕事を探すために就職活動を始めました。
そして自宅から徒歩15分程の国内旅行のカウンター業務をする仕事を見つけたのです。
自宅からも近く、興味のある旅行の仕事は「やりたい!」と思いました。
履歴書を送ると、書類選考を通過し面接に進むことができました。
面接はその会社の本社で行われるということで、自宅からは公共交通機関で約1時間の場所に出向き面接を受けることにしました。

本社での面接はいい雰囲気で話が進んでいたので、採用される手ごたえは感じていました。
そして、最後に面接官が
「ところで、海外旅行に興味はありますか?」
と私に質問をしたのです。

私は刺激的なニューヨークから帰ってきたばかりで海外旅行への興味が最高潮に達していた時でした。

「はい。先日初めての海外旅行でニューヨークに行きました。海外旅行にはまた行きたいと思っています。」

と元気よく答えたのでした。

すると面接官は
「実は、本社の採用で海外旅行のカウンター業務の仕事があるのですが、いかがですか?通勤時間は長くなってしまいますが…。」
と笑顔で話してくれました。

私は間髪入れずに
「興味があります!やってみたいです!」
と言い切ったのでした。

これが海外旅行の仕事が決まった時のいきさつです。
地方都市では通勤時間の許容範囲MAXの条件ですが
私はこの仕事との運命的な出会いを感じたのでした。

いざ勤務してみると、世界中の観光地についていろいろなことを知ることができ、海外旅行を希望しているお客様のニーズに合わせて行先を提案する仕事はやりがいを感じました。
例の女性上司を筆頭に一緒に働く人たちにも恵まれ、順調なスタートを切ることができました。
通勤片道1時間も全く苦ではありませんでした。

運命的な仕事との出会いで私の人生は前進していったのです。

* * *

あの時とは…


その仕事を始めて、確か3~4カ月の頃だったと思います。
私の高校時代の友人から突然電話がかかってきました。
彼女はこれまでの私の職歴をすべて知っている友人でした。

「今、仕事してる?」

と投げかけたあと、彼女は私に新しい仕事を紹介してくれたのでした。
まさにここが私の人生の分かれ道でした。
今から思うと…です。

「もしあの時、あのお誘いされた仕事を選んでいたら…」

と最近になって思うのです。

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