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来場者を惹きつけるブース設計のコツ:視覚的演出と動線づくり

前回は展示会の全体像や事前準備のポイントについてお伝えしましたが、今回はブースそのものの見せ方に焦点を当ててみたいと思います。
実際に展示会場を回ってみると、ブースのレイアウトや演出が巧みなところには、自然と人だかりができているものです。狭いスペースだから効果が薄い、広いスペースだからこそ工夫が必要、といったそれぞれの事情に合わせた最適なブース設計は、来場者の印象を左右する大きなポイントになりやすいと感じます。

そこにどんな工夫を凝らすかによって、同じ製品やサービスでも見え方は一変します。

効果的なブースレイアウト

限られたスペースでも、来場者の目を惹きつける演出は可能です。
まずは、ブース入口の開放感を大切にすると良い印象を与えやすくなります。例えば、ストレスを感じさせない広々とした入口を作り、通りがかった人の視線を奥へと誘導しやすいレイアウトを意識します。

とはいえ、奥まで見通せると、時には「近寄りづらい」と思われることもあるので、適度に視線を遮るパネルを配置し、奥に何があるのか興味をかき立てる工夫をするのも効果的です。
一方で、スタッフの人数や商品の大きさに合わせてスペースを確保することも重要です。周囲の状況を観察しつつ、入口から自然に中へ入れる動線になるようレイアウトを整えると、立ち寄る人が増えやすくなります。

商品展示のテクニック

展示物を効果的に見せるには、視線の高さや商品のグルーピングがポイントになります。人の目線を意識し、床から150cm前後の位置に一番見せたい商品のパネルやPOPを配置すると、自然とその情報が目に留まりやすくなります。

また、似たカテゴリの商品はまとまりを持たせて陳列し、来場者が「何がどこにあるか」を一目で把握できるようにすると興味を深めやすくなります。展示台の上部と下部で、色やカテゴリーを変える方法も有効です。空間にメリハリをつければ、奥行きが感じられるブースになります。

視覚的な演出方法

展示会では、視覚的なインパクトが最初の勝負になります。ポスターやタペストリー、大型モニターを使う場合は、遠目からもはっきり見える大きさや配色を選ぶと効果があります。

例えば、目につきやすいカラーや動きのある映像、シンプルかつ大きな文字でインパクトを与えるキャッチコピーなどを組み合わせて、「このブースは面白そうだ」と思わせることが大切です。
商品の特徴を動画で解説するのも良い方法ですが、来場者が画面に集中できるように雑然とさせすぎないよう注意が必要です。
あえて隣に実機を置くなど、映像と現物を対比させる工夫を加えると、より理解してもらいやすくなります。

来場者の動線設計

どんなに素晴らしい展示物があっても、来場者の流れを考えずに配置してしまうと効果を発揮しづらくなります。自然に入りやすい導線を作るために、入り口をわかりやすくし、来場者が「どこから入って、どこへ進めばいいか」を直感的に理解できるようにしておくと、ストレスを与えずに中へ誘導できます。

また、人は左回りに動きやすいと言われるため、左回りの通路を意識することで出展内容をより効率的に見てもらえる可能性があります。
ブース内で商談や説明をするスペースをあらかじめ確保すると、混雑時でも落ち着いて話を聞いてもらえ、その場での情報提供や名刺交換にもつながります。配置の段階ですれ違える幅を残すことも忘れずに行いましょう。
特に入口や奥のスペースが狭いと、立ち止まる人が増えた際に通路をふさいでしまい、入りづらさを生んでしまうからです。

今回はブース設計や展示方法に焦点を当てましたが、最終的にはいかに「来場者の目線」を想定し、実際に歩いている姿をイメージして考えられるかで成果が変わるように感じます。
前回の内容と合わせて、今後の展示会出展のヒントになれば嬉しいです。これから実際にブースを作る場合は、事前のシミュレーションをしながら、ぜひいろいろ試してみてください。

展示会当日に、「このレイアウトにしてよかった」と思えるブースが完成することを願っています。

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