比喩の魅力を語りたい
名言風に始めてみましたが、いかがでしょうか(笑)
名言や格言なんて全く知りません。
名言よりことわざや四文字熟語の方が価値があると思っているタイプの人間です。
好きな言葉は
晴耕雨読、大器晩成、果報は寝て待て。
あと、棚からぼた餅!(笑)
そんな話より、今日は比喩の話です。
秀逸な比喩はときに大きな力を持つものです。
宇佐見りんさんの「推し、燃ゆ」での
という比喩が最近は話題になりましたね。
僕の感覚は当てにならないので、かなり前の話かもしれませんが。
この比喩は主人公にとって推しがどのような存在であるかを直感的に表現しています。
体を内部から支える一本の筋。
自身の支柱として推しが機能していることが鮮明に伝わる鮮やかな表現です。
勿論、本以外でも比喩は使われています。
例えば、KinKi Kidsさんの「硝子の少年」では、
という比喩が使われています。
これはかなり高度な使い方です。(zkの経験上)
1行目から読み取ることのできるイメージはいくつか考えられます。
ビー玉の素材であるガラスの硬さや脆さから、思春期を連想するかもしれません。
ひび割れていることで触れるものや自分自身までを傷つけてしまう。
また、ビー玉は主に子供の玩具や飾りとして使われます。
そこから窓ガラスなどの他のガラス製品と比べた際の幼さや、装飾だけが残り形骸化してしまったアイデンティティが想像できます。
周囲の環境に転がされてしまったことが原因でしょうか。
他にもビー玉のサイズは小さいものが多いことから、
心が狭苦しいこと、または器が小さいことに耐えられずひび割れ出したとも読み取れます。
そういった数多の解釈を2行目は収束させます。
誰もが想像でき、思いつきにくい解釈の提示は圧巻です。
かつその先には逆さまという比喩が待っている。
見事です。
他にも言葉遊びはあります。
またの機会に紹介できればします。
皆さんの好き比喩を教えて下さい。