腕を折る方法教えます
ロシアで「腕を折る方法教えます」という商売を始めた人がいるとニュースが伝えていた。
白居易(白楽天)にまさに戦争を逃れるために自ら腕を折ったという老人を詠んだ詩がある。「新豊の臂(うで)を折りし翁」である。長い詩なのでかいつまんでご紹介したい。
新豊に住む八十八歳の老人は右臂が折れ曲がっている。
いつ、何故臂を折ったのかと尋ねると、二十四の時
「夜深けて敢て人をして知らしめず
偸(ひそ)かに大石を将(も)て鎚(たた)いて臂を折る」
これで弓を扱うことも旗を掲げることもできなくなり戦争に駆り出されずに済んだ。
「骨砕け筋傷(やぶ)るることは苦しからざるにあらざれど」
とにかくその後六十年生き延びることができた。
「一肢廃すといえども一身全し」
雨風の夜、寒い夜には一晩じゅう痛みで眠れないこともあるが、全く後悔はしていない。もし戦争に行っていたら川のほとりで
「身死し、魂孤りにして、骨収められず
応(まさ)に雲南望郷の鬼と作(な)り」
他の戦死者たちと同じ塚に埋められて恨みをこめて哭いていただろう。
この老人の言葉をよく聴いてほしい。
無用の戦争を防いだ名宰相もいれば、自分の功を得るために無用な戦争をする宰相もいる。だが無用の戦争は人々を苦しめるだけだ。
あなたにも直接、この臂を折った老人から詳しい話を聞いてほしい。
以上、
1000年以上前の悲惨な話だと思ったら、日本でも太平洋戦争の時に同じようなことがあったらしい。そして今また。
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