『スローシャッター』
仕事に出かけた異国の地で、出会った人々と互いに心を通わせた出来事。
記憶が鮮やかに綴られているのは、どれも忘れられない大切な思い出だからだろう。そしてその交友が続いていることがとても嬉しい。
誠意を持って真面目に働くと出会いが生まれ、物語になるのだろうか。
いやそれだけでは足りない。
相手の心のわずかな動きを感知する繊細なアンテナも必要そう。
言葉なしで伝わるこころ。
語り尽くして知るこころ。
ひとと会いたい。
そう思いながら読み進める。
時折、ゾッとする失敗や後悔のエピソードが出てくる。油断はできない。
最後の章も驚きだった。
登場する曲はアレクサに言ってみる。
ちゃんとかけてくれた。私が知らなかっただけで有名な曲だったと知る。
香りにジャスミンティーを淹れる。
安全な部屋で異国への旅を想像しながら読んで、暖かい気持ちになる。
次は脇に地球儀を置いて、旅の場所を探しながら読んでみよう。