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ダメ親父の夢が希望を与える!?メキシコ映画『バモス!ドミンゴ -夢の実況席-』≪6/4-10開催!ヨコハマ・フットボール映画祭2022≫

うだつのあがらない中年男のどん底人生を救ったのは、幼いころに憧れていたサッカーの実況アナウンサーになる夢だった!メキシコの陽気なラテン音楽に乗せた痛快コメディ、日本初上映!

みなさん、こんにちは。ヨコハマ・フットボール映画祭note公式マガジン第50回を担当します、スタッフの細川です。

今回は、YFFF2022上映作品『バモス!ドミンゴ -夢の実況席-』をご紹介します。「バモス」はスペイン語の”Vamos”で、サッカーの試合ではよく耳にする言葉です。英語では”Let’s go!”や”Come on!”にあたり、日本語では「行け!」「行くぞ!」などの意味で使われています。

映画『バモス!ドミンゴ -夢の実況席-』作品紹介

愛すべきダメ親父、ドミンゴ。職なし、金なし、妻は家出。そんな彼が人生の再起をかけて挑むのは...幼少期からの夢、サッカー実況者になること。踏んだり蹴ったりな中年オヤジの挑戦に、フットボールの神様は微笑むのか!? YFFF12年の歴史にして初となる実況者が主役となるラテンコメディー。
ヨコハマ・フットボール映画祭公式

主人公のドミンゴは、55歳にもなるのに2ヶ月と仕事が続かず、25年も連れ添った妻のエリザベスも、ついには実家に帰ると言い出す始末です。「君の望む生活ができるように頑張るから。」と懇願し、2週間の期限付きでなんとか最後のチャンスをもらいます。

心を入れ換えたドミンゴは、翌日の朝早くから新しい職場で働き始めるも、早速トラブルを起こして逃げ出してしまいます。予定より早く帰宅した上に苦しい言い訳を並べ立てるドミンゴにあきれ果て、失望したエリザベスは、ついに本当に出て行ってしまうのでした。

失意のドミンゴは、友人のロベルトから助言を受けます。「これまで仕事が続かなかったのは嫌々働いていたからだ。楽しめる職を探せ。」と。そして、幼いころに実況アナウンサーに憧れ、真似事をしていたことをふと思い出します。実況アナになってテレビに出れば、エリザベスの心を取り戻せるに違いない。と考えたドミンゴは、実況アナウンサーの夢に向かって走り始めます。

ⒸKinesis Film House SA de CV,Adastr Films,SARL

まずは、近所の広場でルールもチームもなく、ただボール蹴りを楽しんでいるだけのグループに声をかけて取材をし、勝手に実況をスタート。その実況を録音し、テープをスターアナウンサーのフローレスに渡してもらうよう、テレビ局で警備員をしているロベルトに託します。返事を待つ間も、草サッカーの実況で練習を重ねていきます。近所に住む青年ロヘリオは、マネージャー役を買って出て、タコス屋の宣伝の契約も取りつけました。

なんとかフローレスに直接アピールするチャンスを掴むものの、アナウンサーの募集がないと断られてしまいます。しかし、中継レポーターは募集中だと教えてもらい、応募を決めるのですが……

舞台はメキシコ第2の都市グアダラハラ

舞台となるハリスコ州のグアダラハラは、メキシコ第2の都市で歴史的建造物が多い美しい街のようですが、ドミンゴが住んでいるのは郊外の労働者階級が住む地域です。

そして、グアダラハラはリーガMX(1部リーグ)に所属するアトラスFCとCDグアダラハラのホームタウンでもあります。ドミンゴのリポーターの試験会場になるスタジアムは、1970年のFIFAワールドカップ開催時に建設され、86年にも会場として使用されたエスタディオ・ハリスコ(Estadio Jalisco)で、アトラスFCのホームスタジアムです。

ⒸKinesis Film House SA de CV,Adastr Films,SARL

『シェイプ・オブ・ウォーター』でヴェネツィア国際映画祭金獅子賞、米アカデミー賞作品賞・監督賞を受賞したギレルモ・デル・トロ監督もグアダラハラ出身です。

サッカーが地域コミュニティを盛り上げる

ドミンゴが実況の練習をするのは、クラブでもチームでもない、ただサッカーが好きで集まった人々が、ただ楽しんでいるだけのゲームです。そのゲームにドミンゴが実況をつけることで、人々が集まってくるようになっていきます。サッカーがメキシコの国民的スポーツでもあるということも大きいですが、ドミンゴが彼自身の夢のために動いたことで、街の人々の生活をも変えていくのです。

ⒸKinesis Film House SA de CV,Adastr Films,SARL

ラウール・ロペス・エチェベリア監督は、2015年に短編”Domingo”を制作。ベルリンの国際フットボール映画祭である「11mm」をはじめ、複数の国際映画祭で高い評価を受けました。そして、本作はハリスコ州の支援を受けて製作され、国際映画祭に招待されていることは地元映画界の誇りになっています。

↓「11mm」についてはこちらの記事でも取り上げています。↓

邦題 バモス!ドミンゴ -夢の実況席-
原題 DOMINGO
制作国 メキシコ
制作年 2020
上映時間 94分
監督 ラウール・ロペス・エチェベリア
出演者 エドゥアルド・コバルビアス、マルサ・クラウディア・モレノ
ⒸKinesis Film House SA de CV,Adastr Films,SARL

若いころ、「叶えたい夢は公言しなさい。」というアドバイスを受けたことがあります。自分が何をしたいのか、言わないと誰も知らないままです。でも、知ってもらうことで協力を得られ、チャンスも舞い込んでくるようになります。ドミンゴも、ロベルトに話したことで彼の人生が動き始めます。ロベルトもロヘリオも、ドミンゴに気があるロヘリオの母親のエヴェリアも、決してバカにすることなく、ドミンゴへの協力を惜しみません。

ドミンゴが教えてくれるのは、夢のためにアクションを起こすことの大切さと、アクションを起こすのに年齢は関係ないということ。ドミンゴの夢を応援することで、一緒にハッピーになりましょう。バモス!

ヨコハマ・フットボール映画祭 2022」は6/4(土)-5(日)にかなっくホール(東神奈川)、6/6(月)-10(金)シネマ・ジャック&ベティにて開催します。

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初の夏開催になります。開催に向けてYFFFの情報も発信していくのでご注目ください👀

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