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『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』の話
やりたいことってなんだろう?
私がなりたい私はどんな人?
夢を追いかけて歩いていると、日々の仕事や現実にぶつかりふと立ち止まる瞬間がある。やりたいことをやっていたはずなのに、気がつけば自分が思う理想の自分から離れている。
そんな時、現実を受け入れるべきだと思う自分と、このままじゃいけないと思う自分がせめぎ合う。
目の前にあることもできなくて、他に何ができると思うの?だけど、違和感を抱えたまま何年も過ぎてしまって本当にいいの?
作家になりたい主人公は出版エージェントで働くことになるが、任された仕事は作家に届くファンレターに定型文で返事を書くこと。
思い描いた出版社の仕事ではないけれど、出版業界に入れたのだからと日々仕事をこなしていく。そんな毎日の中で、作家と話しをする機会が訪れたり、上司に認められて本の売り込みを任されたりと、会社ではそれなりに認められていき、編集の才能を開花させる。
それでも、主人公が選んだのは会社を辞めて作品を書くこと。
大学で文学の研究をし、書くことが好きで、出版社で業界人として活躍し認められる。
一見すれば社会人として順風満帆に見えるけど、自分が望むことと違えば手放すことも正解だろう。
作家志望は出版エージェントにはいらないと考えていた上司も、主人公の決心は支持してくれる。
どんな選択をしても、自分の歩いてきた道端で残るし、これから先も道は続く。今あることを一生懸命やりながら、夢は追い続けて環境を変えていくことは間違いではない。
自分の将来に迷った時、行きたい方に歩いていいんだと背中を押してくれる、そんな映画だった。