気温と匂いと記憶のこと
季節の匂いで昔のことを思い出すことが時々ある。
5月だというのに夏日を記録した東京のオフィスで、学生の頃に部活で歌った合唱曲『IN TERRA PAX - 地に平和を』のメロディーを突然思い出した。
私の中で、この曲は春と夏の間くらいの温度。
暑い夏が来る直前の風の匂いがするさわやかな緑色の曲。
結構壮大なイメージの曲だけど、歌詞に出てくる言葉はさわやかな風が吹いている原っぱみたいな身近な風景を思わせる。
タイトルが「地に平和を」なので、平和とか反戦とかそういうテーマの曲だと思うけど、耳馴染みがいいし、しつこい感じもなくスッと心に入ってくる曲だなと思っている。歌うのは結構大変だった記憶があるけど、歌いきると気持ちのいい曲でもある。
もうすぐ夏が来る頃、少し暑くなった季節に音楽室の窓を開けて風が入ってくる中で歌っていた記憶。ピアノ伴奏が結構派手で、その伴奏に包まれて歌う感じが心地よかった。
こんな日もあったなと、ちょっと懐かしい気持ちになった午後だった。
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