「デジボリ」のふたり
土曜の夜9時に放送している「サタデーウオッチ9」。
番組はことしで3年目になりますが、4月に大幅リニューアルしました!
こんにちは、記者の原田季奈です。
渋谷の放送センターにある「ニュースセンター」でニュース番組を制作する仕事をしています。サタデーウオッチ9には2022年に番組が始まった時から携わっていて、今年度の番組リニューアルを担当しました。
サタデーウオッチ9はどんな番組?
いまはテレビを持っていない家庭も増えてきて、スマホやタブレットで映像を見るという人も多いですよね。選択肢はNHKや民放各社の番組だけでなく、動画配信サービスもたくさんあります。
そんな中で、皆さんの役に立って、しかもどんな端末でも見やすいニュース番組はどんなものなのかを模索しているのが、サタデーウオッチ9です。
こだわりは、こうしたサムネイルを使った番組進行!
NHK NEWS WEBのアクセス数をもとに3段階のチェックマークで関心度も示すことにしました。
音楽は、2022年度から番組音楽を担当しているピアニストの角野隼斗さんに新曲を依頼しました。
そして、リポーターや記者、ディレクターが、毎週日本全国を飛び回って、その週のニュースをリアルに伝えています!
新コーナー「デジボリ」のススメ
そして今回、わたしがご紹介したいのが、「デジボリ」です!
「NHKのニュースの新ジャンルを確立したい!」という意気込みで、コーナーの設計に携わりました。
「デジボリ」を担当するのが、メインキャスターの林田理沙アナウンサー(中央)を囲むこちらのふたり。ホルコムジャック和馬アナウンサー(左)と荒木さくらアナウンサー(右)です。
そもそも「デジボリ」って?
SNSを使っていると、間違った情報が拡散していたり、詐欺を疑うようなものを目にしたりすることがありますよね?すぐに間違いや詐欺とわかればいいですが、正しい情報に見えてしまうことも…わたしはしばしばあります。
そんな真偽不確かな情報を検証するのが、「デジボリ」です。デジタルの問題について取材を続けているNHKの記者たちとタッグを組んで、毎週、取材や放送に臨んでいます。
こんな内容を放送しました!
こちらは、これまでに放送した内容の一部です。なりすまし広告の被害にあっている有名人に直撃したり、“インプレゾンビ”を追いかけて、パキスタンのとある街に取材に行ったりもしています。
なぜなくならない?SNS有名人なりすまし広告 クリックすると…https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240406/k10014412551000.html
ホルコムアナが印象に残っているというのが、今年度初回放送のこちら↑
SNSで横行 “インプレゾンビ”の正体は?投稿者に直撃すると…https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240511/k10014444011000.html
筆者の原田はこの回を担当していたのですが、パキスタンの男性が「私自身『ゾンビ』の1人だったと思う。今後は再びインプレゾンビになるのではなく、日本の人たちと健全なやりとりをしたい」と話していたのが印象的でした。
「無限の可能性」「AIに恋するかも」衝撃が走った最新技術は?https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240525/k10014459361000.html
荒木アナが印象に残っているというのがこちら↑
「デジボリ」の制作現場は?
さて、今回のnoteではホルコムアナと荒木アナを通して、「デジボリ」の制作の裏側を紹介していきます。
ふたりはアナウンサーですが、「デジボリ」での役割はいろいろあります!
いま、力を入れているのは大きく2つ。
►取材に関わり、プレゼン原稿を書く!
►タッチパネルを自分で操作しながらプレゼン!
「そんなの当たり前の仕事じゃないですか~」という声が聞こえてきそうな気もしますが、NHKのニュース番組では役割が細分化されています。
短時間で番組を制作していることもあって、ふだんは主にわたしたち記者やディレクターがプレゼンの原稿を書いて、アナウンサーと言い回しなどを相談してから本番に臨んでいます。
さらに、「デジボリ」のポイントはこのモニター、縦ですよね!
わたしもそうですが、スマホで見る画像や動画は、縦に慣れてしまっている人も多いのではないでしょうか?
「デジボリ」では、画面の縦スクロールや縦型動画などスマホの中で起こっていることを再現して、よりリアルに伝えようということで縦モニターを導入することにしました。
タッチパネルで操作できるようにもなっていて、ホルコムアナと荒木アナが、自分のしゃべりに合わせて、2面のモニターの画像を自ら変えながらプレゼンするのが「デジボリ」なんです!
前日の金曜日に「ドライリハーサル」
こちらはある日の金曜日。サタデーウオッチ9放送の前日です。
午後にドライリハーサルがあるため、荒木アナが原稿の手直しをしていました。ドライリハーサルとは、カメラを使わないで実際の流れをやってみることです。
記者と一緒にロケに行くこともあるため、取材して感じたことなどもコメントに落とし込んでいきます。
荒木アナは「より自分のことばでプレゼンができる」と言っていました。
プレゼンで使う画像にもこだわっています。
SNS上にある、どの投稿を例に使うと視聴者の皆さんが理解しやすいのか、投稿はそのまま使用することができるのか…などチームで議論しながら進めています。
かなり小さいですが、練習&ドライリハ用にタッチパネル機能付きの縦モニターも1台あります!
…1台しかないので、もう1台はテレビのモニターで代用!
いよいよ、ドライリハーサルスタート!
画像やVTRを使って、翌日の放送をイメージしてプレゼンしていきます。
使う画像は誤解を与えるものではないか、プライバシーに配慮しているかなど取材した記者やデスク、番組の編集責任者などを交えて議論します。
荒木アナにどんなことを心がけて準備しているか、聞きました!
本番の土曜日!スタジオで本番さながらリハーサル
さてさて、本番は土曜日。こちらはある午後です。
夜9時の放送に向けて、スタジオに大きなモニターを設置してリハーサルの準備をします。
使う画像の順番はあっているが、情報量は適切だろうか…などを、まずチェック!
このリハーサルからカメラマンも参加するので、カメラワークも確認します。
ホルコムアナが、FD(フロアーディレクター:スタジオでアナウンサーをサポートしてくれます)と議論していたので近寄ってみると、書き込む線の太さについて話し合っていました。
「いつもより太いかな、文字がつぶれないように線を引くには…」と相談していました。
みずから画像を出し入れしたり、線を引いて強調したりしながらプレゼンをしていくので、細かい確認も怠りません!
さて次は、副調と呼ばれる放送を出す場所です。
本番さながらのリハーサルが始まりました。
カメラを通してみると縦モニターの画像がどう見えるか、コーナーの予定時間内にプレゼンが収まっているかなど編集責任者と確認。修正するところを洗い出して、本番に臨みます。
ホルコムアナに、「デジボリ」でプレゼンをする際に心がけていることを聞きました!
土曜の夜9時は家族で!
デジタル上で起きている問題や偽情報などは大人だけでなく、“デジタルネイティブ”である子どもたちにも大きな影響を与えるものだと思います。
皆さんの疑問に答えられるような放送を目指していきますので、土曜夜9時は家族で「サタデーウオッチ9」や「デジボリ」をご覧いただけるとうれしいです。
「デジボリ」は、ホルコムアナと荒木アナが週替わりでお伝えしています!