「「わかりあえない」を越える」を読んで

海士の風

「わかりあえない」を越える マーシャル・B・ローゼンバーグ(著/文) - 海士の風

Nonviolent Communication (NVC)を提唱するマーシャル・B ・ローゼンバーグによるNVCの考え方、NVCの目的と原理、活用事例を紹介する一冊。本書では、NVCが何を目指しているのか、ということを、「人生をすばらしいものにする」というキーワードで説明されています。本書では、NVCが大切にしていることを、私たちが学習するために、私たちを形作った今の社会とはどんなものなのか、ということや、私たちはどういうふうに考えていくと良いのか、ということを説明します。そこでは、NVCで使われる言葉と私たちの社会の言葉の違いを、多数の例とともに紹介します。NVCのプロセスは、一見するととてもシンプルに見えますが、NVCの求めるものはとても難しいものだと感じました。それは、日常的に使っている言葉に、知らないうちに入り込む価値観から自由になる、というプロセスの難しさがあります。この難しさを超えて、自分の感情、ニーズに向き合っていくこと。そして、自分と相手の人生をより素晴らしいものにするために、どのように1人の人間として向き合っていくのか。本書は、そのための実例と、その中にあるエッセンスを説明していきます。本書を読むことで手にすることができるNVCの考え方は、実践していくことは難しいと思いましたが、実践していくことで、より自由に生きることができるのではないかと感じました。