「ユーモアを生きる」を読んで

ユーモアの語源は、古代ギリシア語の「体液」となっています。つまり、「ユーモア=笑い」なしには、人間は生きられない、と著者の述べています。これは、著者がホスピスの現場で、実際に経験したことから、そう感じる、ということなので、真理なのであろうな、と思いました。

「死が近いにもかかわらず」笑う人たちと著者のやり取り、著者の川柳と学術研究など、様々な視点から、ユーモアの効用を述べていきます。笑いによるタブーへの言及、笑いによって免疫機能が高められる、ポジティブな雰囲気作り役立つ、など、比較研究によって示されたことなど、ユーモアにまつわることが、実感を伴って、語られていきます。ユーモアの持つ様々な側面を知ると、自分の日常生活にも、もっとユーモアを取り入れていきたい、と感じるのではないでしょうか。

本書で紹介されていた「コーピングユーモア」という概念は、いろいろな場で活用できそうだな、と感じました。「コーピングユーモア」とは、ユーモアで何かストレスフルな状況に対応する、ということを意味しています。つらさなど、そのままでは対処するのに難しい状況に、ユーモアを持って、乗り越えよう、という姿勢は、普段の生活にも役立つでしょう。

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