「死にゆく患者(ひと)と、どう話すか」を読んで

國頭英夫先生による日本赤十字看護大学の1年生のゼミ「コミュニケーション論」の講義録が本書です。がんの告知、インフォームドコンセントなど、聞き慣れた問題であったり、DNR(Do Not Resuscitate)オーダーなど、医療の現場にいない自分などは聞き慣れない問題など、とてつもなく難しい問題に対し、大学1年生の学生のこれらの問題に向き合う姿と、考えた答えは、すごいな、と思いました。「あとがき」にて、本書の主役は学生たち、と述べられているように、対話篇での國頭先生と学生たちの意見、考えのやりとりは、自分が参加者としてその場で見ているような臨場感があり、引き込まれていました。

対話篇までの第1講から第5講までは、がん医療におけるコミュニケーションの問題を扱った内容です。「がんの告知」をどのように行うか、パターナリズムとインフォームドコンセント、終末期の医療者と患者の関係、などなど。「正解のない問い」に、様々なデータや実例を踏まえた事例などから、考える指針を提示しつつ、一旦、「答え」を出して行動する、そして、問いを考え続ける、という姿勢の大事さ、というのを感じました。

対話篇、課外授業では、問題に対する学生の考えと、その考えを軸にしたやりとり、は、とんでもなく深く考えさせられる内容でした。自分は、この問題に対して、どういう答えを出せるのか、ということを、読みながら、考えていくことは、自分の人生にも大事になると思いました。

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