「ファンベース」を読んで

従来までの大衆に向けたマーケティングが、その有効性が小さくなっていく現代、そして未来のマーケティングについて書かれた本です。パレートの法則など、売り上げの分析から分かる実情、社会変化といったものを示し、「ファンベース」という考え方がなぜ重要なのか、を述べていきます。ブランドや商品の価値観を「支持する人」を「ファン」とし、そのファンを対象にマーケティングの施策を打つことが、なぜ、重要なのか、ということを、実例とともに解説していきます。

「ファンベース」のマーケティングを考えていく上でのアプローチとして「共感・愛着・信頼」「熱狂・無二・応援」というものが解説されています。ファンに共感される、愛着を抱いてもらう、信頼してもらう、ということの効果を実例を紹介しつつ、解説していきます。

マーケティングの全体を、どのように考えていくのか、ということも述べられています。ここでは、これまでの大衆向けのマーケティングとの組み合わせも解説されます。ベースにあるのは「ファン」に向けたマーケティングである、という点を強調しています。ファンを作るための短期施策として、既存のマーケティングは「認知される」手段として有効だが、そこから、中長期施策として、ファンを増やしていく、という視点の必要性も述べられています。

本書はマーケティングに絞った内容ですが、「ファンベース」という考え方は、マーケティングのみに限らず、個人が、どういう風に人と関わって生きるのか、ということを考えるきっかけになるのではないかと思いました。

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