とめどなく溢れる想いたちへ
君たちは、止まることを知らない。
留まることを知らない。
電車に揺られて、立っているだけで、面白い格好で寝る人だなとか、旅行かなとか、何しに来てるんだろうという格好の人とか、いろんな人がいて、いつのまにか、考えさせられてる。
私はどうみられているんだろう。
すでに半袖を卒業して、長袖モードだけれど、あの人は寒くないんだろうか。
優先席にしてはわかりづらくないかという色合いの席もあるけれど、どうなんだろうかとか。
なんてことのない日常の中で、想いが重なっては重なりすぎてぼけーっとする。
ハッとした時には、駅に着いているのである。
何気ない日常は、これほどの情報量があるのだから、脳みそが朝の時点で限界なのかもしれない。
あぁ、高らかな笑い声。
気前が良いんだか、態度がデカいんだかわからない。
両方なのかもしれないし、そうでないかもしれない。
電車の中に入ってきた、蝶々と呼びたくなるような、草むらで見かける蛾の一種は、やっぱり蝶々のようにひらひらとしてはどこかへ飛んでいく。
きっと、この蝶々のおかげであの人は眠くなってるに違いない。
そう思ってるうちに、何を思ってたのかを忘れていく。
思いが重ね重ねで重くなる。
重力みたいに、いつのまにか言葉に重みが出てきて、鈍い音を立てて、相手の耳たぶを揺さぶる。
きっと、想いにも重さがあるに違いない。
ならば、重さが減るように、今日も、大した重さがないような、なんでもないような言葉を重ねてみたい。
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