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小説のようなもの

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#手紙

とめどなく溢れる想いたちへ

とめどなく溢れる想いたちへ

君たちは、止まることを知らない。

留まることを知らない。

電車に揺られて、立っているだけで、面白い格好で寝る人だなとか、旅行かなとか、何しに来てるんだろうという格好の人とか、いろんな人がいて、いつのまにか、考えさせられてる。

私はどうみられているんだろう。

すでに半袖を卒業して、長袖モードだけれど、あの人は寒くないんだろうか。

優先席にしてはわかりづらくないかという色合いの席もあるけれど

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薄く消え入るような私

薄く消え入るような私

最初からいなかった。

そこにいないようなものじゃないか。

消えてしまいそうだ。

そもそも消えてるのかもしれない。

いつだって私を見つめる大切な何かはなかった。

気持ちが、僕自身が

大切にされる感覚が

消えてしまいそうなほど儚くて、

その脆さの中で彷徨い続ける苦痛。

苦痛に悶えることしかできずに、

嘆くこともできずに、

支えられることもなく、

ボロボロになることしかできず、

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さみしい 二

さみしい 二

とめどなく、溢れてくる。

なんでもない気持ちがあふれてくる。

何があるのかないのか。

そんなものあるのかないのか。

そんなこと知らないけど、落ち着かない、

なんなの。

イライラすらしない。

ムカムカすらしない。

なんなの。

いつもの暇なのに。

ほんと嫌になりそう。

ただうずくまっていたい。

冷え切った心を温めるために。

ぬくもりが届かない。

こんなにも求めてるのに。

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無色透明

無色透明

無職ってわけじゃないの。

色がないって意味。

みんな、肌を見れば自分だってわかるじゃない?

私、わかんないの。

色ないし、透明だから。

私からは、みえないの。

あなたからなら、見えたりする?

私の、色。

私の、こと。

私には、私が見えないの。

言ってくれても、気が付かないことが多いわ。

それって、私のことだったんだ。

いつものこと。

あなたは何色をしているの?

私は、無

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