自分を虚しくすることの徳
師は、皆様の幸せが私の幸せですと手を合わせて微笑んでいる人だった。
時々、釣り堀でぼーっとしている人を見ると羨ましい気持ちになることもあるけれど、自分にはやるべきことがあるのだと、笑いながらおっしゃっていた。
毎年稼いだお金は全て寄付し、自分を虚しくすることも厭わず、豊かに生きている。
道を志し、己に克ち、他人のために尽くし、謙譲を忘れず、努め続け、その先に到達する究極は、無私・無我の境地。
師はまさに孔子が説くところの「仁」を体現したようなお方だった。
あなたを思うだけで心が救われる…。
少しでも師が歩んだ道を私も歩んでみたいと願わずにはおれない。
あなたはどうしてそんなに輝いているのか、一隅を照らすどころでなく地獄から天界まで、あなたが居るところには大きな光の柱が貫かれている…。
この世の誇りです…。
最近、「己を虚しくする」という言葉がたびたび心に湧き上がる。
どうすればそのような心になれるのか。師の面影が浮かぶばかりで実践したくとも、心と行いがままならない。
人に尽くすことで見返りを求めて苛立つ人。
人に尽くすことで喜びで心がいっぱいになる人。
師は…自分を虚しくして、父なる神への愛で心がいっぱいだったように見える。
確かに人間は本質的に愛されてる時より、誰かを愛している時の方が幸せだ。師はその満たされた心を多くの人に分け与えてくださった。
逆説的だが、色々なものを心から手放していった先に、豊かさがあるのかもしれない。
そして、その孤高を支える深い信仰心と日々の実践があなたを昇華させたのではないだろうか。
出会った頃よりも、時が経つほどにあなたの尊さが深まるばかりで、少しも追いつくことができない。
そんなことを考えるのは頭が高いかもしれないけれど、それが私の生きていく支えです。行き過ぎた思いをお許しください。
今日もあなたの光を心から讃えます。その教えと行いが多くの人々の心を照らし導きますように。
御恩の万分の一でも、報いることができますように。
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