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{読書感想短歌*98}アーサー・コナン・ドイル 『シャーロック・ホームズの事件簿』
ほんとうの別れはいつもあっけなく 東風吹く暇もなかったね、ワトスン?
hontouno wakarewa itumo akkenaku koti huku himamo nakattane, Watson?
改めてぜんぶ読んでみてたシャーロック・ホームズも、これでさいご。…いったんいなくなったり、最後の挨拶をしたりしながらも、諸事情で復活しつづけたホームズですが、これでほんとうにさいご。こういう〈いつもの短編集〉みたいなのでストンとラストなのが、パロディやパスティーシュ作品が超多い理由のひとつなのかもな。
※個人的には、〈最後の挨拶〉のときの、引退したホームズが「東風が吹いてくるね、ワトスン」なんて言って、でもそのラストな雰囲気にその時点でのワトスンはあんまり気づいてなくて…みたいなエンディングがすごく好きだったんだけど、続いちゃったから(笑)。や、だけど、人生って意外とこんな感じでさ、かしこまってお別れを言ったところで、忘れ物して戻ってきたりとか、あるから。いつでもさよならの可能性あるし、さよならではない可能性も、あるし。