{読書感想短歌*74}宮部みゆき 『長い長い殺人』
「ぼくの声を聞いて」 小さきものが云う 「聞いて」 「聞いてよ」 「やっぱり聞かないで」
"bokuno koewo kiite" tiisakimonoga iu "kiite" "kiiteyo" "yappari kikanaide"
お財布の一人称小説だなんて、発想がてんさいすぎる。引き出しやポケットにしまわれてるときは周りが見えないし、自分からは動けないし通報もできない。そのくせどこにでも連れていかれるという、史上最強のワトソンポジションの子らなのだった。
※物体たちに言葉があるとして、教えてほしいことと、言わないどいてほしいことと、同じくらいあるな。