｛読書感想短歌*153｝誉田哲也 『ハング』

守れるもの 守れないもの 両腕にいっぱい抱えて よろよろと、愛

mamorerumono mamorenaimono ryouudeni ippai kakaete yoroyoroto,ai

ハング (中公文庫)

誉田哲也作品の中でも、だんとつにハードモードなのでは。姫川シリーズなんかは、基本被害者がいて加害者がいて、主人公の刑事サイドは事件解決係、なわけだけど、このお話はもう、自分たちがガチガチに巻き込まれてゆくので…。なんていうか、誉田哲也ぽい主題で誉田哲也ぽいストーリーで誉田哲也ぽい文章なんだけど、なぜか読後感が大沢在昌、みたいな。（伝わる？）

※正しく生きるのはしんどいよね、という気がするときもあるけれど、たとえば正しさについて一定の基準をわきまえた状態で、あえて正しくなく生きるほうが地獄みが深いんだろうな、ともおもう。ハードボイルド。