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{読書感想短歌*93}恩田陸 『EPITAPH東京』
すこぅしの違和感を今みすごせば いつか大きくよじれる未来
sukousino iwakanwo ima misugoseba ituka ookiku yojireru mirai
半ばまで、これは半分エッセイなのかな?とおもって読んでた。戯曲家の〈私〉が、東京という町を巡りつつ、さりげなくふしぎ風味に解釈しなおす。自称吸血鬼の男性の一人称部分(が挟まれてる)に関してはフィクションだろうとおもわれるけれど、それ以外は現実の街で起きている日常のなかのあれこれ、で、違和感なく読める…読めた。途中までは。その〈ふつう〉が、どこからズレたのか、どうしてズレたのか、わからないまま〈フィクション、だろうけど、現実でありえなくもない〉終着点に連れていかれるのが、ほんのりと怖い。
※小説家のたくらみで、いつのまにか連れてゆかれる未来があるのなら、現実の誰か、もしくは何かに先導されて、とりかえしのつかないくらい〈外れた〉場所に連れてゆかれることもあろうよ、と、おもったよの歌。