鷹の爪さんぽと朝映画
文章書きたいからnoteやってるのに、すぐさぼっちゃうし、思いついたときに書いておかないと忘れてしまうので、今書く。
内容うっすいし別に忘れてもいいようなことだけど…
でもこうして日記のように記録することは大事だと思う。
些細なこと、あの時何を考えていたか、というのをちょっとしたエピソードからでも、紐を引っ張るみたいにして思い出すことができる。
最近お酒を飲むとすぐ寝てしまう。
お酒はきっと人によって相性があって、何を何番目に飲むかによっても最終形態が変わる。(笑)
最終形態とはつまり、二日酔いになるかならないかとか、眠くなるかならないか、飲み続けてもしっかり色々保てるか…など。
私の場合は一杯目がハイボールだと調子がいい。
ビールだとお腹一杯になるし、すぐ酔いが回ってしまう感じがして眠くなる。
今日はハイボールだから起きている。自然にアルコールが体の中に染みていて、とてもちょうどいい。
そんなわけでまず昨日。
3粒の鷹の爪だけを握りしめて散歩をした。
福岡県のふるさと納税の返礼品で、半年越しに送られてきたもつ鍋(遅い…)を晩ごはんにいただくことになり、母が準備してくれていた。
たくさんあるので近くに住む姉夫婦にもおすそわけしていて、別々の家なのにその夜は同じメニューだった。
しかし母が姉に持ち帰らせたときに鷹の爪を渡すのを忘れたらしく、これがあるのとないとでは全然違うから!と宅急便を頼まれた。
急かされながら、いつかのフェスで買った、今はもう解散してしまったバンドのTシャツを着て、鷹の爪だけを生身のまま握りしめ、家を出た。
外の空気は生ぬるくて、次の日の朝の湯船のお湯みたいな感触がした。
姉夫婦の家は本当に近いから、散歩ついでにちょうど良かった。
でもスマホも持たずに出てきたから、今ここで大地震が起きたら、私はこの場に自分と鷹の爪3つだけになって彷徨うのかな、とぼんやり思いながら歩いた。
そうなったら、私はこの鷹の爪をずっと捨てずに大事にするだろうと思う。
そして年老いたら、孫だか誰かの子供なんかに見せながら、「これは私があの大災害の時にね…」と語って聞かせてやる。
死ぬほどどうでもいいことを考えていたらいつの間にか着いていた。
お義兄さんが玄関に出てくれる。
いまだにどんな感じで接していいか分からなくて、なんとなく目を合わせられずにしながら、これ鍋に、と鷹の爪を手渡す。
さようなら、私の鷹の爪。
そうしていると後ろから姉が出てきた。
ベージュのワンピース姿は、もうパッと見てもわかるくらいにお腹が膨らんでいる。
あと三ヶ月もしないうちに、私はついに叔母になるのだ。
いつも憎まれ口ばかりの姉だけど、開いた玄関から見える新婚夫婦図はとても幸せそうな映像で、なんとなくほっとした気持ちで帰った。
最近はほとんど車移動だからゆっくり歩くことが減っていたけど、ちょっとの距離でも歩くのはかなり楽しい。
遮られっぱなしの口元からマスクを外すと、外の空気が美味しかった。潮風の匂いも久しぶりな気がする。
あの数分で地震が起きなくて本当に良かった。
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翌日、休みの日にしては珍しく、朝8時に起きたので、9時から映画を見た。
『明け方の若者たち』
明け方どころかばっちりの朝に見てしまうのを躊躇したけど、アマプラにある映画の中で前から気になっていたので観てみた。
最近多くなってきた、ある2人のカップルの馴れ初めから破局までを若者あるあると共にエモーショナルに描く系映画...(長)
『花束みたいな恋をした』『ちょっと思い出しただけ』とかと似た系統であることを観る前から感じとり、結構、身構えていた。
特に、花束(略)には心がだいぶやられた経験があるので(観た時期がちょっと悪かったのもある)、なかなかトラウマに残っている。
しんど!こんなんホラーやん!て思ってた。
↑の画像にあるコピーにも、「いつか、この時間に終わりが来ることを…」とか言っちゃってるし怖すぎる。しかし観る。怖いもの見たさ。
以下、感想(?)
主演2人のロマンス要素とは別に、この映画で描かれる「こんなはずじゃなかった人生」。それを眺めるのが、共感できるからこそ一番苦しかった。
「何者か」になろうとする若者が、思惑通りにいかない現実に直面してジタバタしたり、悶々としたりする。それでも、居たくない場所にだんだん順応してしまう。そこから抜け出すのには勇気と気力と計画が要る。
仲の良い同期との対比もきついものがあった。
2人とも希望の部署に配属されなかったけど、優秀な同期は花形営業部、主人公はロボットのように動く総務部。
きらきらとして自由な職場を夢見ていたであろう主人公が、活気のない、全員が微動だにしないオフィスを見て落胆する様子が悲しかった。
その後、「環境は自分で作れって言うしな!」と基本的にポジティブ思考の優秀同期はベンチャーの社長にスカウトされ転職。
かたや映画の終盤で主人公に舞い込んだのはねずみ講の勧誘。つらい。
しかしこの同期、仕事ができるだけじゃなくて良いやつすぎた。
この映画のコピーを「持つべきものは友。」にしてしまっても差し支えない。
恋愛は非日常的わくわくを与えてくれるけど、友達は一生もの。
井上祐貴サイコーでした。
友達にこの映画は音楽が良いと勧められていて、なるほど、KIRINJIの「エイリアンズ」、きのこ帝国の「東京」、クリープハイプの「二十九、三十」、劇中で流れるものは聴きなじみのあるバンドばかりだった。
知っている音楽が流れるだけで、「あ、この映画は私世代に向けられているんだな」というのを感じる。
たぶんあのあたりの曲は、この映画で言う人生のマジックアワー時代を終えつつある人々に馴染みがあると思う。
なんにも思った通りにならなくて、代り映えのしない毎日で、語ることだけはでっかくて、変化を起こそうとしても失敗して、結局また逆戻りして、そうやってぐるぐるぐるぐる同じところを回るしかない。
嫌になったら友達を呼んで、お酒を飲んで、真夜中をひたすら歩く。
でもその日々が、マジックアワー。
何年後かには尊い時間に映るのだろうか。
こういう系の映画を見た後は、自分の意識が少しだけ上がる。
ロマンス要素も面白いけど、仕事とか友情の描写に目が行って、やりたいことを諦めてないかなとか、情けなく見える主人公だけど、でもこれは私そのものだよなとか、映画を通して自分を振り返る。
仕事を頑張ってる友達と飲むとき、私は正直小さくなってしまう。
中途半端で、努力なんて足りなくて、学生の時に思い描いていたことは全然叶えられていない。近況を話しても恥ずかしいだけ。
胸を張って堂々と、今の自分について話せるようになりたい。
それはある意味、現状を見つめ直す上での指標になるかもしれない。友達に、今の自分について自信をもって話せるか…。
ああ、頑張らなきゃな、と思う。
恋愛映画を観た後なのに、こりゃ恋愛する暇はないな、という所に行きついてしまった。
人生ロマンス編はまだまだ程遠い。
自分で自分の尻を叩かなければ!
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