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ブランドとファンの新たな接点:AR技術を駆使したスポーツ体験
拡張現実(AR)技術により新たなスポーツ体験が生み出されています。
リアルタイムな情報提供からファンエンゲージメントの強化、カスタマイズされた視聴体験まで、ARはスポーツチーム・ファン・スポンサーと3者の新たな接点を創出。
試合観戦はただの観察から、没入型のインタラクティブな体験へと進化しています。
AR技術によるスポーツファン体験の変革 リアルタイム情報の強化
近年、拡張現実(AR)技術の進化は、スポーツ観戦体験を根本から変えつつあります。
リアルタイムな数値やプレイヤー情報の提供などを通じ、ファンにとって革新的な観戦体験を獲得するツールとなっています。
「ARound」を利用すると、ファンはスマートフォンを通して現実の延長としてスタジアムのマルチプレイヤー体験を獲得することができます。
選手のスタッツなどもリアルタイムで表示されるこのARアプリケーションは、試合の深い理解を可能にし、ファンの没入感を高めます。
没入型ファンエンゲージメント
AR技術は、ファン参加型アクティビティを通じてエンゲージメントを高める手段としても活用されています。
ARフォトブースでは、ファンがお気に入りの選手やマスコットと一緒に写真を撮るバーチャルな体験を楽しめます。
サンフレッチェ広島の新スタジアムとして2024年2月に開業した「エディオンピースウイング広島(広島サッカースタジアム)」。
エディオンでは「EDION PEACE WING HIROSHIMA」の文字が入った大型モニュメントを設置。
AR技術を活用し二次元バーコードをスマートフォンで読み込むと、サンフレッチェ広島のマスコットであるサンチェとフレッチェが3Dで出現するというイベントを実施。
サポーターがブランド名の入った新モニュメント周辺を楽しみ撮影してSNSに上げる仕組みを作りました。
カスタマイズされた視聴体験
AR技術のもう一つの魅力は、個々のファンの好みや関心に合わせたカスタマイズされた視聴体験の提供です。
ファンはARアプリケーションを通じて、自分だけの視聴環境を作り出すことができます。
特定の選手のパフォーマンスを追跡する、または特定のチームの色でスタジアムをバーチャルに装飾するなど、自分だけの視聴体験をカスタマイズできます。
また、パーソナライズされた広告やプロモーションを受け取ることも可能で、ファンにとってより関連性の高い情報提供が実現されます。
ARとスポーツスポンサーシップ戦略の統合 ブランド認知の向上
スポーツイベントでは、AR体験を通じてブランドメッセージを伝えることが一般的になりつつあります。
AR技術を活用することで、従来の広告よりも鮮明で記憶に残りやすいブランドイメージをファンに提供できます。
スーパーボウル開催地のラスベガスにあるカジノリゾート「Durango Casino & Resort」は、開催期間に巨大なアメフトボールがホテル周辺飛ぶダイナミックなAR広告を打ち出しました。
新たな収益機会の創出
AR技術はスポンサー企業にとって新しいマーケティングチャンネルを提供します。
AR体験を通じた商品販売や限定オファーのプロモーションは、従来の販売手法に比べてユニークな顧客体験を提供し、収益の増加に繋がります。
スポーツイベントの観戦中にファンがARを通じて特定の商品を購入できるようにすることで、直接的な販売機会を創出することが可能です。
AR技術があれば、スタジアム内のあらゆる場所、グッズ、チケット、看板、何の変哲もない壁でさえスポンサーやサービスのPR媒体となりえるのです。
まとめ
AR技術によるスポーツファン体験の変革は、まだ始まったばかりです。
技術の進化と共に、ファンエンゲージメント、ブランド認知、スポンサーとの協業など収益創出の可能性はさらに広がっていくでしょう。
今後もこの革新的な技術がスポーツ業界にどのような変化をもたらすのか、その動向から目が離せません。