喧嘩
部屋のドアを開けて、見つけた空はお世辞にもオレンジ色ではなく、白と青が混ざった色をしていた。鳥も飛びたくなくなる。
先輩に、背伸びして声をかけた。
心の中にあるものを吐き出すと。相手との距離が一気に縮む気がする。その距離を測ることができれば良いのだが、人にはそれを測るだけの天性に似た素質を失ってしまっている、そんな気がする。でも誰かと一緒にいたい。誰かと笑っていたい。
泣いてもいいかな。でもそんなこと起きない。何かをしないといけない気がする。プラスとマイナスを交互に自分の心で切り替えながら、人と一緒になる。でも、なぜかマイナスがプラスに、プラスがマイナスになる時がある。寝れば治るかもしれない。そう思ってよく寝たが、治らない。だけど、しなきゃ行けないことはたくさんあって、それをこなすように。自分は大丈夫と言い聞かせて、乗り越えようとする。
喧嘩の内容は本当に、本当に、些細なことだった。
人と人の距離はパーソナルスペースで測られるということを聞いたことがある。あなたはあるだろうか。それも断片的な真実で、近すぎるとどうしても、ぎこちなく、操り人形のような動きになってしまう。それは、誰も喜ばない踊り。でも、人と人との距離の本質は心なのではないだろうか。なぜなら、言葉を持っているから。今ではハイテク技術によって、動画でもものを伝えられる。心についてはいつか話したいと思う。とにかく、言葉で愛を伝え、そして同じ言葉で、相手を傷つける。
だから、僕はこれ以上話さないことにした。冬を乗り越えるかのように待つことにしよう。そうすれば温かな春が来る。フラットな朝が。
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