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孤独のグルメに見る公務
私の日曜日の楽しみと言えば、『孤独のグルメ』を見ながら晩酌をすること。
輸入雑貨の貿易商を個人で営む井之頭五郎(いのがしらごろう)は、法人から個人まで多くの顧客を抱えており、商談で赴く土地で偶然見つける運命的な飲食店での食事を「幸福な時間」としてじっくり紹介されるこのシリーズの大ファンだ。
孤独のグルメでは、たびたび五郎の取引先として市役所が登場する。岩手の震災復興のための施設のインテリアの相談だったり、市役所の職員が民泊をはじめる事業者との仲介役になったり。先週の日曜日に見ていたシーズン10エピソード11では、千葉県旭市の市役所の企画課職員に訪問する回だった。
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企画課の女性職員は五郎に、新しくできるイベント施設のインテリアを依頼する。
子どもからお年寄りまで、老若男女誰もが楽しめる空間にしたい!
市民はもちろん、旭市以外の方にも来て楽しんでもらいたい!
ついでに旭市の特産品も知ってもらいたいし、買ってもらいたい!
とても市役所職員らしく明るくはきはきと「みんなに平等に」を前面に出した要望で、五郎は面食らってしまう。
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となりの公務員は常日頃から言っていることがある。
孤独のグルメのこの打合せシーンを見ながら、それを思い出した。
みんなのためは、実は誰のためでもない
公平公正にというのは、実は最も不平等
五郎がインテリア選びをする上で、この女性職員の要望の中にヒントを見出すことは非常に困難だ。特にお願いされていたのは「イス」だったが、子どもにもお年寄りにも喜ばれるイス・・・無難な着地点をインテリア素人の私が想像するに・・・お年寄りが腰かけられる低さで、大人のおしりがはまるサイズかつ、こどもらしい色使いのキャラクターモチーフの椅子とか?
きっと、子どもたちは「これは大人の椅子だ」と思い、
大人は「これに座るのは恥ずかしい」と思い、
お年寄りは「これはイスではない」と思うだろうな。(苦笑)
五郎のおかげで、となりの公務員がよく言っている「みんなのためは、実はだれのためでもない」という言葉の理解が深まった。
市役所の職員の気持ちになると、みんなに平等である以外に選択肢がない空気感もよくわかるが、ターゲットを絞る勇気は時には必要だ。
10の事業をやるとして、それぞれの事業にターゲットを設定できた場合と、どの事業にもターゲットを設定できなかった場合では、結果はまるで違うだろうな。
今、紫波町で進めている地域の温泉を核にした「あづまねエリア」のリニューアル事業は、これまで設定がなかったターゲットを明確に設定している。なぜなら、ターゲットがない戦略などありえないから。
そう言い切れるの、すごい。
孤独のグルメを見ながら、紫波町の事業のすばらしさを改めて感じた夜だった。
ちなみにこの回で五郎が発見したレストランはこちら。
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このレストランで、市役所の女性職員が激押ししていた、旭市の特産品である「豚」のステーキにありつく。
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今度はどこの公務員が孤独のグルメに登場するのか、
今から待ち遠しい。