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あゝ新阪急ホテル

今朝、久しぶりに会う友達との約束のためヨドバシ梅田付近にいましたが、お手洗いに行きたくなったので近くのお店のトイレを借りようと思ったんです。

ヨドバシ梅田の開店は9:30、その頃はまだ9時過ぎだったため開いておらず、大阪梅田の、本当の意味での中心地であるにも関わらずこの時間はトイレがどこにもないんです。

駅に行けばありますがヨドバシ梅田からはまあまあ遠く、そうだ新阪急ホテルのトイレを借りようと思って後ろを振り返ったら、そこに新阪急ホテルの名前は既にありませんでした。

いや、正確には消えかかっていました。

あゝ新阪急ホテル。
大阪に住んで早くも10年になりますが、新阪急ホテルは、いつもトイレを部外者である僕にも快く貸してくれました。

他には、仕事でまあまあ要人ぽい人を迎えに行くためにホテルのロビーで数分いたぐらい。

「新阪急ホテルが無くなる」
昨年報道されたこのニュースは、大阪に住む人間に激震が走りました。

この先何十年も、400年先も残ってそうと思っていたらレトロなエクステリア、インテリア、そしてロゴがオシャレでシックな新阪急ホテルが、まさかなくなってしまうなんて。

去年はKITTE大阪ができたり、大阪駅北のうめきたエリアも超改良中で、このエリアはとにかく絶賛超再開発中です。

大阪の景色が時代と共に移り変わるにつれて、新阪急ホテルもちょうど今月1月にその役割を終えることとなりました。

去年の暮れから、新阪急ホテル引退キャンペーンということでホテルレストラン最後のお祭りとかをやっていて、最初で最後の新阪急ホテルをぜひ!!と思っていたら予約は瞬殺で埋まってしまった……日本人みんな推し活を通して予約とか早押しとかめっちゃ鍛えられてるなあ本当に。

そもそも一緒に行く人もいないので、どうしようもありません。
一人ホテルレストランはさすがの僕でもできません。

結局新阪急ホテルとの濃密なひと時を僕は味わうことができず今日に至るわけですが、それでも僕は信じています。

新阪急ホテルはきっといつまでも僕たちの心の中で生き続け、現実の新阪急ホテル跡地には新たな生命が産声をあげ、それは新阪急ホテルの意志を引き継いで僕たちの梅田の街を盛り上げてくれるのだと。

あゝ新阪急ホテル。
たくさんトイレを貸してくれてありがとうございました。