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自殺とは、選択的に思考停止をすること

デュルケームの『自殺論』を購入しました。
本当は、そちらを読み終えたあとに書きたい記事だったのですが、
文量の多さに圧倒され、自殺しそうになったので、
そっと本棚の奥にしまい込みました。

自殺という、強制的に思考停止ができる手段

「辛いことも、寝れば忘れる。」

朝起きたら、昨日の悩みを忘れてしまっていた経験はないでしょうか。
睡眠がもつ記憶の整理機能のおかげで、つらい出来事も朝には大抵忘れられます。

ですが、眠りで解決できる悩みなど、そもそも小さい。
自殺未遂を図った友人から聞きましたが、そもそも眠れない。週の合計種移民時間が9時間だったこともあったらしい。

記憶の整理はおろか、一晩中脳が覚醒し、悩み続けます。
目の間に浮かぶ不安にしか目がいかない。文字通り、先が見えなくなる。

自殺は、そういった思考の負の連鎖を強制的に断ち切ることができる手段です。


「あなたのPCはウイルスに感染しました」

中学生時代にエッチなサイトを閲覧していたときの出来事。

何をクリックしたのか知らないが、
急に画面が真っ赤になり、大きな音が鳴る。
黄色い文字でウイルス感染の警告がどデカく表示される。

常人なら焦るところだが、14歳の私は冷静だった。
なにせ慣れていた。こういった脅しの対処法を心得ている。
小学校3年生からインターネットを見ている人間を舐めないでいただきたい。

「シャットダウンしとけばいいんだよ、こんなの。」

ところが、シャットダウンを押そうとしても、マウスカーソルが表示されていない!!

初めてのケースだ。心臓がバクバクいっている、どうする、とりあえず、どうする、早く電源を切らないと。

「Alt+F4」という手段すら知らない子どもは、PCの電源ボタンから強制的にシャットダウンを行い、事なきを得ました。
あの手の嫌がらせ、考えた人間を私は死ぬまで赦しません。


なんでこんな話を思い出したのかというと、
自殺のメカニズムに似ているな、と思ったためです。

視界を覆い尽くす真っ赤な現状。今まで見ていたエッチな天使はどこかへ行ってしまった。対処法はない。何もできないという無力感と焦燥感。この状態をはやく終わらせたい。辛い。そうだ、電源を切ればいいんだ…。

自殺する人は、悪い意味で思考力に長けています。
自らに降り掛かったネガティブな出来事を詳細まで観察し、
止まることなくそれについて考えている。
で、自殺という解決策の立案まで行う。

仕事が原因で死ぬ人の例

突然ですが、最近、私の仕事は全くうまくいっていません。

500万円の予算を計上した社外関係者と握った開発のスケジュールが遅延。何も終わっていないが、半年の成果評価の面談まで1ヶ月を切った。突然退職した社員の穴埋めのためチームには異動を命じられ、新しい業務の習得を進める中、急ぎのイレギュラーな対応の相談のため移動前のチームから電話がかかってくる。そんな日々です。明日も地獄確定です。

洗面所で手を洗っているとき、この辛い現状がふと頭をよぎったときの精神状況は、こう。

「あぁ、もう考えたくない…。仕事とかどうでもいい…。死にたい…。」

  • あのメール早めに返さなきゃ…

  • マネージャーに頼まれた資料、完成していない…

  • でも、今の最優先トラブル対応だからそれらは後回しで…

  • あぁ…きっと失敗する…

仕事の場合、環境が耐えかねるものであれば、退職でいいんですけどね。
過労で自殺する人は、これの上位互換(?)なのでしょう。

精神的な負担に加え、肉体的に限界が来た瞬間、退職よりも自殺のほうが、社員名簿から自分の名前を早く消せることに気づく。

繰り返しになりますが、自殺の理由の一つは、「反芻思考」および「失敗する未来の自分の妄想」を食い止めるための、強制終了の手段だと感じました。

ということで、デュルケームさんの助けなしでの状態で、自殺について考えました。彼の著書を読み終えたら、改めてこの文章もアップデートしたい。

おわり

X:https://x.com/MajinNewType

余談:自殺に詳しくなれば、自殺しないんじゃない?

「自殺とはなにか?」
「どういう人が自殺するのか?」

自殺自体を知ることが、自殺を食い止める一歩なのではないかと思い、デュルケームに力を借りたいと思った。

「あ、この考え方、自殺につながるやつや」

このように、「自殺をしようとしている自分」に気づくことさえできれば、
踏み止まることができるのではないかと。

自殺するほどにメンタルが深刻な状態であったら、
こんな冷静に考えられるのか、という疑問は残りますが。

紅葉シーズンですし、
辛くなったらもう、きれいな景色でも見ておけばいいんじゃないか…
まだ読んでないですが、デュルケームの自殺論に、「困ったら山に登ろう!」みたいな項目があったりしませんかね。


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