見出し画像

三世代のお節料理 2025

90代の母と小学生と中学生の子供たち、私たち夫婦の3世代が一緒に食べられるご飯を日々研究中です。

お節料理といえば嫁いだ当初、食べきれな程大量のお煮しめや黒豆を数日前から母と一緒に仕込んだことを思い出します。
母の幼いころは、お正月などのお祝い事や村のお祭りに御馳走として沢山作って家族や近所の方と食べていたそうです。
母が大量に作るお煮しめはその名残だったんだと、最近になって理由がわかりました。母にとっては思い出深く、いまもかわらず大好物のお煮しめです。


完成したら煮汁をかけて2日ほど味を馴染ませます

お煮しめのこと

今年のお煮しめは、蓮、京芋、昆布、こんにゃく、里芋、椎茸、筍、人参、高野豆腐、きぬさや、鰹節(出汁)の11種で完成です。昔から奇数の食材で作ります。
味付けは椎茸、昆布、鰹出汁と塩、味醂、砂糖、醤油。いつもの煮物より少し甘めです。
クリスマスマルシェで見つけた京芋は御節の為にとっておきました。
形が美しくて出来るだけそのままの形を残しました。加熱すると繊維が美しく見えます。
昆布は薄く柔らかいものを使い切干大根で結び食べやすくしています。小さな巻物のようになりました。

器は母の嫁入り道具


海老の鬼殻焼きは子供達に人気

レシピ 海老の鬼殻焼き

長寿のシンボル海老の鬼殻焼きは、さっと洗い背ワタを取り除き付けだれに漬け込みました。元旦の朝、串に差しグリルで焼きました。

【漬けだれの配合】味醂大さじ2 醤油大さじ4 酒大さじ4

一晩、または焼く前の30分漬け込みます
串差しにして焼きます
海老の鬼殻焼きを盛り付ける器には松を


器は母の大切にしていた3段重。彩は南天の葉

レシピ 黒豆

無病息災を願う黒豆は母から受け継いだ味。数日前から炊いておきます。
豆を炊く前日から調味料に漬け込み、翌朝火にかけるだけの失敗の少ない簡単なレシピです。煮汁に浸けたまま冷蔵庫で保存、または保存袋で冷凍もできます。
甘めの煮汁はお湯で割ってドリンクとして頂いたり、ヨーグルトのソースなどにも使います。

落し蓋をして黒豆を炊きます。

【材料】
黒豆  300g

水   8カップ
砂糖  170〜180g
醤油  大さじ2
塩   小さじ3分の2

【下ごしらえ】
豆を洗い、調味液の中に一晩浸けておく。

【作り方】
1.一晩浸け込んだ鍋をそのまま火にかけ、煮立ったら灰汁を取り、落し蓋をして弱火で3時間程加熱する。豆によって時間は異なるので味見を。
(静かに沸騰するくらいの火加減で、灰汁が出たら都度すくう)

2.豆が柔らかくなったら火を止めて、鍋のまま冷ます。豆が煮汁から顔をださないように。

煮汁に浸けたまま、瓶や保存容器に移し替え冷蔵保存し味を馴染ませる。

豆は傷みが早いので、食べきれない分は保存袋に入れ冷凍がおすすめ。

食用菊とレモン風味のなます

レシピ レモンなます

年末に無農薬レモンを沢山いただきましたので「レモンなます」を作りました。
これまでのお正月のなますは和風イメージでしたが、洋風のマリネにも似た味わいで新鮮でした。
大根と人参は繊維を断ち切るように斜め切りにし、母でも咀嚼しやすい柔らかさにしました。

【材料】
大根     5センチほどの輪切り
人参     3分の1本
レモンの皮   適量 香る程度
菊の花びら   適量

☆合わせ酢 
酢    大さじ3
味醂   大さじ2
砂糖   大さじ1
塩    小さじ2分の1
レモン果汁 ひと絞り (お好みで)

【作り方】
1.大根、人参は繊維に対し斜め切りにし、千切りにする。
2.1に塩小さじ2分の1を振り、軽く手で揉んで15分程おき水分を絞る。
3.合わせ酢の材料を鍋に入れ、沸騰させないように塩、砂糖を弱火で溶かす。
4.合わせ酢が温かいうちに2に注ぐ。


ラディッシュ椿、栗きんとん、伊達巻、ゆず酢だこ、紅白かまぼこ

レシピ ラディッシュ椿


根っこ側に格子の切り込みを入れ、塩ふりして水分を抜き、レモンなますと一緒に浸けこみました。庭の椿の葉っぱを添えています。盛り付けてみると赤が映え、準備していて良かったです。

レシピ 栗の渋皮煮のきんとん

写真中央の栗の渋皮煮きんとん。本来は甘露煮を使うそうですが
我が家は秋に仕込んだ栗の渋皮煮を使っています。渋皮煮は冷凍で保存しておきました。
安納芋をオーブンで焼き芋にしてから、漉して、練って、丸めて、渋皮煮をのせました。お芋は程良く水分を含み、漉して繊維を断ち切ることで咽ることなく母にも食べやすい仕上がりになります。

【材料】10個分
安納芋     1つ80g程   6個
味醂      大さじ2分の1
塩        小さじ4分の1
栗       渋皮煮  なければ甘露煮  5個

【作り方】
1.焼き芋をつくる。
安納芋をは皮に塩をふり、4分の1カップの水をかけ鍋(オーブン対応)に入れ180℃のオーブンで60分程加熱する。
鍋の変わりにアルミホイル包みでも◯

2.柔らかくなった芋の皮を剥き、裏ごし後、味醂、塩を入れ鍋で練る。(少し水分が飛び鍋底に芋が付くくらいまで)

3.2の芋が冷めたらサランラップで包み型を整えたら半分にした渋皮煮をのせる。

翌日の盛り付けまで冷蔵庫で保存する。

芋きんとんに渋皮煮をのせサランラップで包んで保存します。


鱈のすり身入りの伊達巻は絶品です

レシピ たらの伊達巻

鱈を蒸してすり鉢ですりつぶし、調味料と卵を合わせフライパンで焼き、巻き簾で巻きます。鱈は加熱してからすり潰すので手間がかかりません。
弾力があり素材の味が感じられる手作りの伊達巻は本当に美味しくて家族にも人気です。簡単で美味しくて、タンパク質も豊富、お財布にも優しい手作りの伊達巻はおすすめの一品です。

蒸した鱈はすりこぎで簡単にほぐれます。
卵とすり身をしっかりまぜます。あとは焼くだけ。

【材料】 1本分
鱈 切り身  2切れ 

塩 小さじ4分の1   
味醂     大さじ2
砂糖 大さじ4
醤油     小さじ2分の1
卵      5個

【下ごしらえ】
鱈は洗い水分をふき取り、振り塩して30分程置き、余分な水分と臭みをふき取る。

【作り方】
1.鱈を蒸し、皮と骨を取り除く。
2.すり鉢に鱈を入れすりつぶし、調味料を入れ均一にすりつぶす。
3.卵を割り2に入れる。
すりこぎまたはブレンダーで卵白の塊が残らないように鱈の生地と卵を均一に混ぜる。
4.熱したフライパンに薄く油を敷き、生地を流し入れる。1センチ弱の厚さに。
5.蓋をして弱火で15分程加熱する。表面が少しペタっとするくらいで火を止め、温かいうちに巻き簾またはクッキングシートで巻く。輪ゴムで両脇をとめておく。

保存袋や容器に入れて数日漬け込みます。

レシピ ゆず酢だこ

ゆずの皮を一緒に浸けるだけ。酢だこに柚子がよく合います。

【材料】
ゆでたこ 150g

酢   大さじ3
味醂  大さじ2
砂糖  大さじ1
塩   小さじ2分の1

柚子の皮   適量 香る程度

【作り方】
1.調味料を鍋に入れ、砂糖、塩が溶ける程度に弱火で加熱する。沸騰させないように気を付ける。

2.たこを1に浸け込み柚子を刻んで合わせる。

3.合わせ酢にたこが浸かるように保存袋に入れ冷蔵庫で保存。1〜2日馴染ませておく。


元旦はお雑煮。鶏と鰹出汁、醤油で味付けします。


毎年2日の朝はぜんざいをいただきます

レシピ あんこの炊き方とぜんざいの作り方

あんこを仕込み半分は白玉と、半分は水を足して煮詰めぜんざいとしていただきました。
消化の負担が軽くなるようにぜんざいのお餅は焼かずに別鍋で静かに茹でています。

☆あんこの炊き方
【材料】 (炊き上がりあんこ650g)
小豆       200g
砂糖       200g
水      600〜800g
塩        好みで

【下ごしらえ】
小豆は洗い前日から3倍ほどの水に浸水しておく。16時間以上で煮える時間が短縮されます。
(浸水無しでもOKその場合は煮る時間が長くなります)

【作り方】 
①鍋に小豆と3倍の水を入れて中火にかける。(浸水の水は捨て新しい水)
②沸騰してきたら少し火を弱め軽く小豆が動く程度の火加減で炊く。途中灰汁をとりながら必要であれば差し水をする。新豆は30~40分程度。(ひね豆はさらに時間がかかる)
※ここでは渋切り無しの方法です。①の工程で沸騰した時点で渋が強ければ一度茹でこぼしする。

③小豆の腹を押し抵抗なくつぶれるくらい柔らかくなったら、煮汁と小豆に分ける。

煮汁はポリフェノールがいっぱい。
お湯や好みで甘さを足してあずき茶としていただきます。

④柔らかくなった小豆に砂糖を3回に分けいれる。
15分ほど加熱しながら絶えず混ぜて煮切る。(好みで塩をいれ味付けする)
鍋底が見える程にあんこが纏まってきたら火を止める。

☆ぜんざい  2碗分

出来上がったあんこ  250g
水          カップ1程
砂糖         大さじ1弱 好みで

【作り方】
鍋底に全ての材料を入れ、あんこと水を煮立て、静かに沸騰する程度に10〜15分加熱し、馴染ませる。途中煮詰まり過ぎたらお好みで水分を足す。

お餅は静かに別鍋で柔らかくなるまで温める。
吸口には柚子を。


2025年の三世代お節料理の備忘録でした。
年末に振り替えって2026年はどんなお正月料理にしようかとあれこれ考えるのもまた楽しみです。
読んで下さりありがとうございました。





いいなと思ったら応援しよう!