流行れ、ツールド信大。 旅行記vol.9
これは果たして旅行記なのか…。キーボードをたたく手を躍らせながらそう思う。せっかくだからという身も蓋も無い動機で書くこれは、ただ自転車に1日乗り続けただけの話である。
某日、私の所属するサークルで発生するクソイベ名企画「夏至ラン」の参加の是非を考えていた時のことだった。ちなみに夏至ランとは夏至…あるいはそれに限りなく近い日に静岡県富士市で日の出を見て、新潟県糸魚川市で日の入りを見るという頭のねじをダース単位でロストし、とりあえず枝で代用した現場猫もびっくりのエラーを起こしたようなぶっ飛び具合の思考から生み出された企画である。
まぁそんなイカレた企画に参加しようかとかけらでも考えている時点で自分も後ろに並んでいるのかもしれない。
話を戻すと参加しようかと考えてた時に、自分にできるか推し量るべきだろうと思いついた。そこでサークルの名企画「ツールド信大」をすることに決めた。
ツールド信大とは、キャンパス間移動難易度Sランク、劣悪なそのアクセシビリティはEランクの信大の全キャンパスを1日で巡るランである。
具体的には松本市にある松本キャンパス、長野市にある工学部キャンパスと教育学部キャンパス、上田市にある繊維学部キャンパス、そして南箕輪村にある農学部キャンパス。これら5つのキャンパスをめぐるコースは約250㎞2000up。
そしてツイートしたところでD君が一緒にやってくれることになったもう逃げられない。
当日
さて、残念なことに当日となった。ちなみにD君は上田に住んでいるところをわざわざ前日入りし、一緒に長野スタートに付き合ってくれた。
5時55分スタートを切った。工学部キャンパスをスタートし、まず向かうは僅か3.5km先の教育学部キャンパスだ。某アンサイ何とかペディアには工学部と教育学部の距離は互いの生徒の心の距離だとか書かれているが、その通り、あるいはそれ以上に心の距離が離れている。
そもそも歴史上栄えてきた長野駅の善光寺側にある教育学部の学生とたいがい畑と田圃しかないような長野駅の東口側にある工学部の学生では生活圏が違う。
まぁ、所詮地方都市の栄えている程度ではあるのだが。
話を戻し、跨線橋を渡ると微妙に腹立たしい急な坂が現れそれを登れば教育学部キャンパスだ。
6時11分に到着。特にやることは無いのですぐに出発。
ここから先が本番。国道19号が始まる。つい気が逸ってしまいペースが上がるが、まだまだ序盤。しかし良さげなペースで2人は進む。10分ごとに前を交代しつつ走るが1人ならこんなペースで走れていないだろう。
スタート直後よりはペースが落ちたがそれでも良いペース、補給・休憩なしで松本キャンパスに着弾。約70㎞を3時間…。ほぼグロス=Aveなので前言撤回、思ったより遅い。
到着直前あたりからかなりお腹が空いており、このまま走り続けるとハンガーノックが確定するのでしっかりと補給をする。先輩を交えたジャンケンはD君が負け、また先輩が奢ってくれるというので甘えた。こんな先輩になりたいものだなぁ…。
もうぶっちゃけここで終わりで良くない…?と思うが、9時40分、長い休憩を終えリスタートを切った。
勢いよくリスタートしたは良いが、嫌な予感がする。
………向かい風だ。
かなり遅いペース、下手すると20㎞/hを切るようなペースで進みかなり体力が削られる。そして差し掛かるのは本日1つ目(2つ中)の峠、善知鳥峠だ。普段ならこんな雑魚みたいな峠と言うが下手すると畳平に登った時並にキツイ。
そして一旦善知鳥峠を下り始めてすぐのセブンで軽い休憩を取った。
休憩を終えて走るが下っているのにあまりスピードが出ない。伊那キャンパスに着くまでの辛抱だと走らせたがかなりペースは落ちた。25km/h前後で巡行していたはずだ。
12時06分着弾。伊那と名乗るが実際は南箕輪村にある伊那キャンパスだ。
一旦飯を食べようとなったがあまりお腹が空いていない。これがマズいサインだとは気づいていなかった。デリシアでパンと飲み物を買い、13時ころリスタート。
散々自分たちを苦しめてくれた風は仲間となり(物理的に)背中を押してくれる。天気ちゃんはメンヘラだね(^^)
先ほどまでとは打って変わって35㎞/h程度で巡行する。
アップダウンもありかなり大変だが意地ですすむ。このあたりで半分を超えた。うそでしょ?
辰野で信号待ちしてた自分たちを颯爽と追い越していき、ゆっくりと走りながら信号を車と共に右折していったORBEAジャージを着てGIANTに乗ったキメラチャリンカスにドン引きしながら岡谷へ向かう。
伊那谷から諏訪に抜けるのに峠越えがいらないルートがあったのは驚きだった。中央本線が昔通っていたルートを考えれば当然ではあるが。
D君に引いてもらった時に危うく千切れかけながら、昔から人々の往来にも立ちはだかってきた最大の難関、和田峠の目の前に到着。一旦ウェルシアで休憩を取ったら出発。ひいこらこきながら、インナーローで進むがペースは遅い。D君にゆっくり登るのは大変だろうからと先に登ってもらう。
横を見ると鹿がいて驚きながら和田峠トンネルに到着。トンネルの終盤で勾配が下りになる。これはフィーバー。
D君も自分も下ハンを握って下っているのに、何なら自分はアウタートップで回しているのに距離が離される。何故だ。
機材差に泣かされながら600mの標高差を下り、一旦ローソンで休憩。
そして軽く食べたら再出発。しばらくすると上田市街地が近づいてきたのか信号が増えてくる。助かる
昨年実家に帰省した時、道を間違えた時に通った場所をトラウマをつんつんと刺激されながら通過。そして…
17時04分に現代のあゝ、野麦峠(アンサイ何とかペディアより)。繊維学部の上田キャンパスに到着!
先輩が迎撃に来てくれるというので少し待つと本当に来てくれた!(疑ってたわけでは無く…)
その後近くのコンビニで補給食を奢ってくれた。今回は優しい先輩に助けられてる。
補給食を食べて出発すればあとはスタート地点に帰るだけ!追い風と緩い下り勾配が背中を押してくれて、体力すっからかんなのに30㎞/h overで巡行!
日は傾き、少しずつ暗くなり、長野市街地に入ると信号やらで一気に足止め…。青木島交差点を越えるのに信号3回変わったんだけど…。
そして犀川を越えれば、
か、帰ってきた。19:05に到着!本当に疲れた。
完走した感想ですが夏至ランには参加しません。(参加しませんでした。)
記録 13時間10分(走行時間10時間22分)
248㎞1929up
グロス平均18.8㎞/h、平均23.9㎞/h
工学部→教育学部 16分
教育学部→松本キャンパス 2時間53分
松本キャンパス→伊那キャンパス 2時間58分
伊那キャンパス→上田キャンパス 4時間58分
上田キャンパス→工学部 2時間01分