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女子差別撤廃委員会が、夫婦に同姓を義務付けた民法の規定の見直しは是とするが

2024年10月31日―日経新聞クリッピング

本日の春秋は「蛇足(だそく=余計なこと)の語源を教えてくれています。
「なるほどね…。」納得がいったところで、春秋の筆者は、おととい国連の女子差別撤廃委員会が、夫婦に同姓を義務付けた民法の規定の見直しは是とするが、男系男子の皇位継承を定めた皇室典範の改正まで求めたことについては「蛇足」であると訴えていますね。

そういえば、先日の国政選挙では、「夫婦同姓見直し」が政権選択の焦点の一つになっていましたね。
ちなみに「夫婦同姓が法律で義務付けられているのは、世界で日本のみだから法律改定しましょう」はNGでしょう。
はたして、選択的夫婦別姓導入は、この30年間、議論して遅々として進まないのはなぜでしょうか。
制度に反対する立場の人からは「家族の一体感や絆が弱まる」とか、「旧姓を通称使用できる機会は増えているといった意見があります。
一方、賛成の立場の人からは「姓を変えることで仕事や生活で支障がでる」、「女性が姓を変えるケースが多く不平等だ」といった声が出ています。
実際に不利益をこうむった理由も上げていますが、社会通念、個人・家族の価値観の問題を判断するのは難しいですね。

NHKが今月18日から3日間、全国の18歳以上を対象に行った世論調査では、「選択的夫婦別姓」の導入について賛否を尋ねたところ「賛成」が53%、「反対」が26%、「わからない、無回答」が21%となっています。」(2024年10月30日付けNHK Webニュース「“夫婦同姓”定めた民法 日本政府に改正求める勧告 国連委員会」より引用)
おそらく、賛成者の多くは、難しい判断の中で「それぞれの夫婦、家族が選択して決めればいいじゃない」というところではないでしょうか。
私は、日本がすばやく変化に対応する「切り替える力」が弱いことを憂慮します。

どうすれば、よいのか?
私は、家庭や学校・大学で「生きる」「働く」ことの本質を探求しようと、真正面から議論する機会がないことが問題であると考えます。
はて、本当に法律で縛らなければ「家族の一体感や絆が弱まる」のでしょうか?
では、「家族とは何でしょうか?」「絆とは何でしょうか?」
私は、これからの時代、家族という共同体を大切にしつつも、親は子供の成長・自立を見守り、助けて、時には子供に教えてもらいながら「個」としてのお互いの姿、時間を尊重し合っていく「家族のつながり=絆」が求められていくように思います。

春秋
2024/10/31付日本経済新聞 朝刊
その昔、中国の楚(そ)の国での話。宴会にふるまわれた酒が足りず、客たちから文句が出た。
「仕方がない。このさいヘビの絵でも描いて、いちばん早く描いた者が酒を独り占めしていいことにしよう」。知恵者の提案に、それはよい考えだとみんなせっせと筆を走らせた。

▼そのひとりは腕に覚えがあったらしい。すらすらと画を描き上げ、勢い余ってヘビに足までくっつけた。仲間の嘲笑を買ったのは言うまでもない。よく使われる「蛇足」の語源である。余計なことを付け加えて、本来の価値まで打ち消してしまう――。国連の女子差別撤廃委員会による日本への勧告も、そのたぐいだろう。

▼夫婦に同姓を義務付けた民法の規定を見直すべしといった指摘だけでなく、男系男子の皇位継承を定めた皇室典範の改正まで求めた。この30年近く、遅々として進まぬ選択的夫婦別姓導入への後押しは是としたい。しかし、皇位継承はそれとは違う微妙な問題だ。政府は委員会側に抗議し、記述の削除を申し入れたという。

▼ヘビに足をくっつけて「ドヤ顔」をしている委員会の面々が目に浮かぶ……などと品の悪いことは言いたくないが、国家の基本にかかわるテーマについての、なんと軽はずみな介入か。それでなくても、皇位継承をめぐっては議論が千々に乱れて収拾がつかないというのに、落ち着いた環境がまた失われよう。迷惑である。


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就活モチスキコーチ 山内康義
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