ロシアによるウクライナ侵攻 1年~現状は?
残念ながら、ロシアによるウクライナ侵略は2年目に突入することになりました。長期戦になる見通しです。
ロシアとウクライナは兄弟国家と表現することがあります。親戚がロシアとウクライナに分かれて住んでいるという人もいます。スラブ民族同士で戦っているのです。
では、現在どのようなことになっているのか、ここでまとめたいと思います。
2月24日まとめ記事
ロシア側の兵士、ウクライナ側の兵士、ウクライナ側の市民に被害が出ています。そのうち、ウクライナ側の市民について死亡した人は8006人(確認できただけ。2022年2月24日~2023年2月15日、国連人権高等弁務官事務所)。このうち487人が18歳未満の子どもだということです。
ただ正確に確認が取れていないので、実際はこの数字を大きく上回っていると思われます。
各報道機関の記事について
NHK
朝日新聞
毎日新聞
読売新聞
日本経済新聞
経済新聞らしく、科学技術やエネルギーに関して書かれています。
見出しだけでも、ほかの報道機関とは別の視点で書かれていることがわかると思います。
この記事では、英石油大手BPは1月末に発表した年次報告書で「35年までに最大42%減る」と発表したことを記事にしています。これはヨーロッパが購入する量を減らすことに加え、アメリカ企業に依存していた掘削技術をアメリカ企業撤退で失ったことが大きいと結論付けています。
イギリスBBC
CNN(アメリカ)
スプートニク(ロシア)
とありますから、「ロシアという国のために、防衛力を高めます」ということです。この記事だけではウクライナでの戦いをどうするかわかりませんが、今まで以上にロシアの防衛力を高めようとしていることはうかがえます。
現状は?
国際社会は?
侵攻1年になるのを前に、国連総会で、ロシア軍の即時撤退とウクライナでの永続的な平和などを求める決議案の採決がされました。ロシアに関する決議は今回で6回目。141か国が賛成しました。多くの国の賛同を得るために表現を弱めたということもあって140か国以上の賛成を得られたという見方があります。
その一方で、初めて決議した時は143か国の賛成でした。そのため、ほとんど変わらないという見方もあるのも事実です。
支援について
ヨーロッパやアメリカを中心にウクライナへ軍事支援を行っています。ちなみに日本も支援していますが、殺傷兵器は送っていません。
ドイツの「キール世界経済研究所」の発表について述べた上記記事によれば、支援額が最も多いのがアメリカで731億ユーロ(約10兆円)です。これはウクライナに支援された額の半分だということです。
ただし、GDPという国の豊かさがわかるといわれている数字で比較すると、エストニア、ラトビア、リトアニア、ポーランドがGDP比0.5%以上ということです。これらの国はロシアに近いです。「次は自分たちの国にも飛び火するかも」という危機感が伝わります。
(ただしそれぞれの国はNATOに加盟しているため、これらの国が一緒に戦うことはしていません。第三次世界大戦に向かうのを回避しているのです)
ロシア・ウクライナの国民の考えは?~世論調査から
記事によれば12月までの調査で、ウクライナ側は「徹底抗戦すべき」という意思が1年通じて変わらないものの、ロシア側は
「軍事活動を継続すべきと考える人」<「停戦交渉を開始すべきと考える人」
だということです。
大国・中国は?
2月24日文書で立場を表明したということです。2つの記事を見比べてみます。
上はスプートニク(ロシアの報道機関)、下はNHKの記事です。
スプートニクの記事を見ると、
とある通り、前向きさが伝わります。
しかし、NHKの記事には
とある通り、自ら積極的に停戦に乗り出す気はなさそうです。ロシアが侵略を続けていると中国経済にも影響が出るので、それを避けるための声明という見方もできそうです。
そして次のような記事も。
この記事の主語は「中国企業」です。中国企業が無人機をロシア軍に提供するという話が進んでいるということです。この記事の内容について、中国政府は否定しています。しかし2月に入りアメリカが中国政府に警告していること、NATO側も武器を提供することにも言及していることから、交渉自体はあったのだと思われます。
今後中国企業が無人機を送るのかわかりませんが、もし送ったという事実がわかれば、中国と欧米の関係は悪化すると考えておくとよいでしょう。
グローバルサウスについて
ロシアによるウクライナ侵攻でヨーロッパと違う動きをしているとして注目されているのが、「グローバルサウス」です。地球で南側に位置する国という意味です。一般に、アフリカや中東、南アジア、東南アジアを指します。
このような国の多くは、ガスや穀物の物価高騰により庶民の暮らしが厳しくなっています。「ロシアを非難しているよりも、今の私たちの生活を助けてほしい」という国民の声が大きいのも事実です。ロシアの援助を求めている国もあります。世界全体が一枚岩にならないのもまた、国際社会の現実です。
最後に
報道を見てつらい人へ
世の中には、共感性の高い人も低い人もいます。つまり、ウクライナでの出来事を見て「遠い話だ。私には関係ない」とか「私なら乗り切れる」と思う人もいる一方で、「つらい思いをしているのを見ると私もつらくなる」という人もいます。まず、自分と違う受け止め方をする人がいるということを知っておいてほしいと思います。
「つらい思いをしているのを見ると私もつらくなる」という人への対処法はさまざまあるのでしょう。この記事では、対人援助職の共感疲労支援のプログラムをもとに4つの対処法が書かれています。
①気持ちを分け合うピアサポート
自分の思いを話すことで自らの心の負担を減らすことにつながるということです。これはカウンセラー同士でも行っています。これを「ピアサポート」といいます。「ピア」は仲間・同僚という意味がありますので、直訳すれば「仲間による支え」という意味です。
つまり、同じような思いを抱えている人と話してみるとよい、ということです。
②感情の伝播
記事をそのまま引用すると、
ですから、「ウクライナに対して何かしたい、でも現地には行けない」という人を中心に「近くにいる人を被災者だと思い親切にしてみる」を提案しています。親切に接すれば、双方が前向きになるだけではなく、めぐりめぐってウクライナ支援をしている人を前向きにすることにつながります。ですから、前向きなことを伝えようと努力してみることを提案しています。
③就寝前の疲れた心のクリーニング
暗いニュースを見聞きしたあとに寝るのは睡眠の質という点で好ましくないということです。ですから、ポジティブな出来事を思い出してから眠るとよいということです。
④持続的な共感疲労による心のサイン
心の疲労は身体の不調につながることがあります。気分転換などをしても毎日身体の不調が現れる場合には、心療内科やかかりつけ医に相談することを勧めています。
ちなみに、この記事での「身体の不調」とは、眠りが浅い・朝早く目が覚めてしまうことがしばしばある・イライラする・怒りっぽい・食欲がない・楽しいと感じることが減ったなどの症状が記載されています。
こういうことを知っておくだけでも、報道でつらさを感じる人の気持ちが緩和するのではないかと思います。
まとめ
戦争ともいえるこの出来事を早く止める必要があります。それと同時に、同じようなことを再び起きないような努力もまた大事です。一方を否定するのは楽ではありますが、それだけではまた同じことが起きてしまいます。なぜなら侵攻をする側の考えを受け止めないからです。相手方の考えを受け止めなかったら、それと全く同じことが起きる可能性があるからです。なので、善悪はさておきロシア側の考え方も共有できるような、私たちの努力もまた必要です。双方の立場を受け入れる、そのような土台を作れるよう私は努力していきます。
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