不登校でも中学は卒業できる?

目次
◆不登校でも中学は卒業できる?
◆出席日数・調査書・高校受
◆不登校でも高校受験はできる?
◆「不登校でも出席扱い」になる方法


◆不登校でも中学は卒業できる?
結論から言えば、卒業できます。極端な例を挙げれば、中学校に入学さえしていたら、1日も登校しなかった生徒でも卒業できるのです。なぜなら高校と違って中学校では、出席日数は、進級や卒業を認定するうえで絶対に必要な条件ではないからです。出席日数が少ないから中学2年生、3年生に進めない、卒業できない、ということにはなりません。出席日数は進級・卒業の要件ではないのです。

でも、中学校は義務教育だから、学校へは必ず行かなくちゃダメなのでは?そう思う人も多いでしょうが、ちょっと違うのです。義務教育の「義務」とは、子どもが学校へ行く義務ではなくて、子どもが学校へ通えるようにしなくてはならない、親(保護者)にとっての義務なのです。言わずもがなのことですが、たからといって、親が不登校の子どもを無理やり学校へ送り出すのは間違いです。学校へ通えるよう、子どもの心身の状態を整えるのが先です。出席日数の少ない生徒が進級できるか、卒業できるかは、中学校の校長の判断によります。不登校などで中学校にあまり通っていなかった生徒でも、校長の裁量によって進級や卒業が認められます。そして校長が生徒の不登校を理由に進級や卒業を認めないということは、まず、ありません。というのも、中学生の段階で進級も卒業もさせずにおくこと(落第、原級留置)は、その後の子どもの人生にとってマイナスの方がずっと大きいと考えられるからです。この措置にはだれもが納得できるのではないでしょうか。結論を繰り返せば、不登校のままでも中学校は卒業できます。

しかし、それでも出席日数を気にする声が中学生とその親から聞こえてくるのは、どういうわけでしょうか。それは、出席日数が高校進学に関係しているからです。

◆出席日数・調査書・高校受験
不登校の期間が長く、出席日数が少ないと、中学校ではその生徒の「調査書」(いわゆる内申書)を作ることできません。調査書とは中学校での生徒の生活態度や学業成績を記したもので、このうち定期試験などで評価される学業成績が内申点となります。生徒の不登校が長くては学校での生活態度が分かりようもありませんし、定期試験を受けていなければ内申点も付けられません。したがって調査書は空欄にせざるをえないわけです。調査書は高校受験時に中学校から高校へと送られ、入学試験(学力検査)の得点とあわせて合否判定の材料になります。したがって調査書が空欄ばかりだと高校も困ります。

合否判定にあたって調査書の比重があまり大きくない高校もあるようですが、一般に公立高校では入試と調査書、両方をよく見たうえで合否を判断しますから、不登校の長かった生徒が公立高校へ進学するのは難しいのが現状です。調査書は高校進学のうえで重要なので、生徒にとっては多少なりとも気にせずにはいられないものです。そのため、学校を息苦しい場所に感じる生徒もいるでしょう。なかにはそれが不登校の要因になっている生徒もいるかもしれません。ところで、一般に公立高校が中学時代の学業成績や内申書で選抜するのに対して、定時制や通信制の高校は入学希望者本人の意欲をより重視して受け入れます。つまり不登校であったことが、あまりハンディにならないのです。とくに私立の通信制高校が、不登校だった中学生の進学先として、いま多く選ばれるようになっているのは、そうした理由が大きいのです。

◆不登校でも高校受験はできる?
 上で述べた通り、公立高校の場合、不登校でも受験はできるが合格が難しい――というのが現状です。それでも、たとえば、不登校で出席日数が少なかった生徒が、中学3年生になってから学校復帰して通い続けられるようになったなど、特段の事情があれば、高校側もそれを勘案してくれるかもしれません。また公立高校のなかには、不登校だったからといって生徒を入試で振り落とさない方針の学校もあるようです。ただし「入れる高校」というだけで選んでは失敗するかもしれません。学校生活になじめるか、学力不足でも授業についていけるかなどの点で、生徒側の努力と学校側に求めたい配慮との間に大きな差があると、せっかく高校に入学できたとしても、うまくいかないことが予想されます。またも不登校になる心配があります。「入れる高校」というだけでなく、「入った後にやっていける高校かどうか」までを見極めることが大切です。

◆「不登校でも出席扱い」になる方法

中学校に通わなくても出席扱いになる4つの方法ついては
コチラ https://new-schoooool.jp/202010deta2/ 
にまとめました。ご覧いただけましたら幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?