【追跡】年末年始に密着 行き場のない女性たち(前半)
「死にたい」。ツイッターにそう書き込んだ少女を誘い込み首を絞めた、などとして、新聞配達員の男が逮捕される事件がありました。
去年には、同様の手口で9人が相次いで犠牲になる事件が起きていて、男はこの事件を真似た可能性もあります。
心に闇を抱えた女性たちはどこに居場所を求めるのか。少女たちの年末年始を追いました。
(TBS NEWS23 18年1月4日オンエア)
新年を祝う10万人の若者らで埋め尽くされた、東京・渋谷。
一方、新宿 歌舞伎町の外れにある雑居ビルには、そのにぎやかさとは対照的な光景が広がっていました。
24時間営業のネットカフェ。料金は1日2472円。およそ9割が長期利用だといいます。
大晦日のこの日は満室。所狭しと並んだ1畳ほどのスペースで、それぞれが年越しを迎えました。
関西から知り合いに会いにきたという25歳のヒトミさん(仮名)。
●ヒトミさん
「急遽、知り合いが(泊めることが)無理になってしまって、ここに来ました。めっちゃ恥ずかしい」
発泡酒で祝う新年、彼女にはつらい過去がありました。
●ヒトミさん
「小さい時から、父親に性的暴力とか受けていて」
中学生まで続いた父親からの性的な暴力。
そのたびに自傷行為を繰り返したといいます。
●ヒトミさん
「死にたいとかではなくイーッてなった時に、ちょっと切って血を見ると、すっと楽になるというか」
●記者
「それでも死にたいと思わなかった理由を」
●ヒトミさん
「母親が病気で亡くなって(入院中に)すごく苦しんでいる姿を見ていたので、(自ら命を捨てるのは)もったいないというか、そういうことを考えたらダメだなと思って」
客の4割が若い女性だという、こちらのネットカフェ。中にはこんな人も・・・
ここで生活を始め、1か月になるというサトミさん27歳(仮名)。職業をめぐって両親ともめ、家を飛び出したといいます。
・記者
「今の職業聞いてもいいですか」
・サトミさん
「デリヘル。良い時で(1日)2万くらい、悪い時で数千円くらい」
・記者
「今年1年どういう1年にしたい?」
・サトミさん
「とりあえず・・・なんだろうね・・・」
高校生の頃から常に意識していることがあるといいます。
・サトミさん
「わたしの場合、毎日思っている。死にたいって」
・サトミさん
「今の世の中やんでいる人の方が多いと思うよ。病んでいない人はいないと思う」
そんな思いを抱える人たちの受け皿となっている場所がありました。
年の瀬のビルの一室。
NPO団体による「電話相談」です。
相談者は、心に傷を負った少女たち。
・電話をかけてきた女性
「飲む薬が増えている。朝は4錠、あと眠剤が2種類。気持ちの面ではブルー」
さらに、こんな電話も・・・
・女性「死ぬの」
・スタッフ「死にたいの?どうして死にたいと思うの」
(後半に続く)