上を見ること
以前、友人からぼくの家の最寄り駅にいると連絡があり急遽ランチを食べようとなった。
どっかおいしいところ知ってる?と聞かれたが、普段家と駅の一本道しか通らないのでわからない。
上京して1年。街のことを知っているようで何も知らなかった。
とりあえず会って適当に決めようという結論に。普段なにか食べるとなるとハズレを引きたくないため、ネットで評判の良いところを調べるタイプの僕にとっては少々もやもやが残った。
「お疲れ様。なんかいいお店あるかな?」
「おれいつも南口の方しか利用しないんだけど、北口側のほうがお店たくさんありそうなイメージ。たまに整体行くぐらいだから全然知らないけどね」
「そか。じゃあ歩いて決めよう。」
友人が顔をぐるりと周りを見渡すのをみて、僕もあたりを見渡す。
あれ、この街ってこんなにお店があるんだ。
普段歩く時基本目線が水平から下なので、ちょっと目線を上げた先にこんなにも知らない光景があるとは気づかなかった。カフェやバーなどお洒落なお店がたくさんだ。
ここなんてどうかな?二階にあるらしいけど
そう友人が興味が惹かれたお店は、僕がたまに利用する整体の上にある隠れ家的なレストランだった。
整体は何度か利用しているのに、その上にレストランがあるなんて驚いた。
内装もおしゃれで料理もとてもおいしいお店だった。
今の時代、インターネットで調べればだいたいのことは解決するし、情報の量も多い。しかしその便利さが今回の僕のように、視野を狭めていることもあるかもしれない。
目線を少し上げるだけで新しい発見はたくさんあった。
きっと今回に限らず様々な場面で異なる視点を持つことは大切になってくるだろう。
事前に調べるのではなく、ふらふら歩いて行き当たりばったりでお店に入るのも悪くない。
「目線も志も上に」そんなことを思ったとある1日でした。
著:松木