従業員の生産性向上のためのキーワード プレゼンティーイズムって知っていますか?
働き方改革など、ここ最近では働く人々がワークライフバランスを保てるよう、様々な施策が推し進められています。
健康経営について
働く人がより健やかになって、生産性を向上させ、企業の業績もアップさせちゃおう!
という目的で、2015年より経済産業省主導で、健康経営銘柄という認定制度がスタートしました。これは健康経営に取り組んでいる上場企業が原則1業種1社、選定されるという仕組みです。
医療費削減施策を国が大義名分で企業に押し付けているだけだろ!という批判もあるこの認定制度ですが、ブラック企業根絶のためには良い取り組みだと思っています。
選定された会社は国のお墨付きの健康経営企業となり、従業員のエンゲージメント向上や採用に良い効果がもたらせると言われています。
2017年からは、更にその裾の尾を広げようと、健康経営優良法人がスタートし、直近では、健康経営銘柄、健康経営優良法人(ホワイト500)、健康経営優良法人(大規模部門)、健康経営優良法人(中小規模部門)と4つの部門が設けられています。
その国が推し進めている健康経営の中で、プレゼンティーイズムという言葉が出てきます。
プレゼンティーイズムとは?
プレゼンティーイズムとは、出社はしているけれども、メンタル不調や健康問題によって本来のパフォーマンスが発揮できていない状態の事をいいます。
一方で、メンタルや病気が原因で出勤できていない状態の事をアブセンティーイズムといいます。
一見、アブセンティーイズムの方が、健康問題による損失が大きく思えますが、実はこのプレゼンティーイズムによる損失の方が大きいと様々な研究結果から判明しています。
以下の厚労省の資料の12ページにもそのように記載されています。
よって、実は企業における健康関連コストの内、アブセンティーイズムや医療費による目に見えるコストよりも、目に見えにくいプレゼンティーイズムの方が損失が大きいのです。
プレゼンティーイズムを低下させる原因は、仕事のストレス、怪我、病気、腰痛、肩こりなど様々あります。
企業はもっとこのプレゼンティーイズムに着目し、何がこのプレゼンティーイズムを低下させる要因なのかを検証し、対策を打っていくべきなのです。
私自身の経験
少し前の日本は、24時間戦えますか?というキーワードが蔓延るなど、今では考えにくいブラック状態でした。
ただ、その時代は、しっかり給料も貰えたでしょうし、仕事も充実してたでしょうし、職場の仲間との絆も今より深かったでしょうから、それでも良かったのかもしれません。
今は終身雇用も徐々に崩れていて、昇給も昇進も難しいようになっています。そんな中でもし、以前の日本のような企業がまだ残っているとしたら、正にこのプレゼンティーイズムがだだ下がりです。
経営者としては社員をコキ使ってるようでも、生産性がめちゃ低い状態では良い仕事ができるわけありません。プレゼンティーイズムという損失だらけです。(もちろんそんな中でもタフに働ける方はごく一部にはいますが)
そんな私も新卒時代は朝早くに出社して、普通に終電前よく帰っていたものです。
その時代は、めちゃめちゃ辛かったですけど、同僚の支えがあって何とか乗り切れました。逆にそれがなかったら、いつどうなってたか分からないですね。
今思うと、休みの日でも常に不安にさらされ、常に眠くて、肌荒れもひどく、目の下のクマも深く、本当に疲れている時はミスを多発していたので、生産性がめちゃめちゃ低かったと思います。
週末に飲みに行ったりマッサージいくのが癒しでした。そして、休日はほぼ寝てました。
今は残業がほぼ無いかわりに、1日の密度はかなり濃くて、それはそれで大変ですが、健康面ではかなり良くなりました。
病気もあまりしなくなり、プライベートの時間を取れるし、家族との時間も取れるし、何よりも、年々歳を取ってるのに、前職の後輩に、転職してから若くなりましたよね?と、言われるようにもなりました(笑)
今同じ働き方をしろと言われたら多分無理ですね、、、あの過酷な前職は、きっと若さがあったからこそ乗り切れたのだと思います。
最後に
私自身の経験を通じてからも、社員を酷使したところで、短期的に成果はでるかもしれないですが、長期的には絶対続かないと考えています。
更には、働き方関連法案により、残業時間の規制が厳しくなって、有給も所定日数の取得が必須になっている現在、以前のような働かせ方をしていたら、労基からご指導いただく事でしょう。
日本は生産性が低い国と言われていますが、日本の企業はもっと社員のプレゼンティーイズムに着目し、社員がより健康的に生産性高く働ける環境を整えるべきなのです。
悪しき風習に囚われず、本質的な問題に着目できる世の中になって欲しいと私は願います。
ここまで読んで頂いてありがとうございました。
それでは!