E.V.2023 曲紹介 アイルランド
アーティスト名:Wild Youth
曲名:We Are One
アイルランドといえば、なんとなくケルト民族音楽を世界に知らしめたエンヤを意識しがちですが、なかなかどうしてロックミュージックの盛んな国であります。
U2のような 殿堂入りバンドだけではなく、近年に至るまで若手のロックバンド達が世界の音楽業界を賑わせ続けています。
ユーロビジョンにおいてもアイルランドはそのロックな気風を発揮しているのかと言えば…さにあらず。
ユーロビジョンで高評価を受けている曲は、ほぼすべてがバラード…何だか不思議な気もします。
しかしながらその路線がユーロビジョンの視聴者層にばっちりはまったらしく、アイルランドはユーロビジョン史上最多の優勝回数を誇る国としてその名が刻まれています。
特に1990年代の活躍はすさまじく、ユーロビジョンの長い歴史において初となる3年連続優勝を果たしています。
ドカベンの明訓高校を連想させるような戦歴ですが、2000年代に入ってからはその実力に陰りが見え始め、TOP10入りどころかGrandFinalに出場すらできない年も多く、その輝かしい栄光とは裏腹に急速に存在感が薄くなってきているのが現状です。
そんなアイルランドの窮状を救うべく現れたのが、今年の代表アーティストWild Youth。
2016年結成…アイルランドのシングルチャート93位という、ちょっと頼りないキャリアではありますが、アイルランドのお家芸ともいえるロックバンドによる参戦という事で…今年こそはなんとか良いところまで行ってもらいたいと思います。
今回の代表曲We Are Oneは、古き良き時代を感じさせる本当にシンプルなロックチューン。
違いはあるかもしれないけど…分かり合うことは難しいかもしれないけど…僕はおかしいかもしれないけど…僕たちは一つなんだ!…と歌いきる潔さに、ちょっと惹かれるものがあります。
PVでは何故か布を被って歌ってます。マグリットの名画「恋人たち」を意識して…はいませんね。すみません。
この布…ステージパフォーマンスの演出にも使用するのでしょうか…。もしそうならば、どのような仕掛けを用意するのか興味はあります。
この布にどのような思いが込められているのか…ステージ上で明かされることを期待いたします。