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のらくら農場

長野県佐久穂町の標高1000メートル、八ヶ岳の北斜面。
のらくら農場は農薬・化学肥料・除草剤を一切使わない有機栽培で野菜を育てる。
この日は4年ぶりに開催するというのらくら農場の収穫祭に行った。

有機栽培がどうとか、無農薬がどうとか、まったく知識もなく、そもそも野菜についてそこまで考えることなんて無かった、だって今まではどう考えても野菜より肉派だったから。
年を重ねると肉より野菜が好きになるとは聞いていたけど最近すごくそれを感じる。

野菜を好きになった理由は色々あるけど一番に思うのはどの野菜も「味」があること。そしてその味は全部違うことだ。
味の濃いドレッシングをかけて野菜を食べるなんてなんて勿体無いことをしていたんだろうと思う。

そして「味」がうまい野菜に出会ったのがのらくら農場の野菜だった。


ここからは全く農業の知識なんて無いけど、実際に農場を見て話を聞いてその野菜を食べて感動したって話をする。

そもそものらくら農場を知ったのは友達が2年前にスタッフとして働き始めた事がきっかけだった。そこからなんとなく野菜に興味を持ち始めて、スーパーで買ってた野菜を近所にある農協の直売所で買うようになった。地元の農家さんが作る野菜ももちろん美味しいし、何より季節ごとに見たことない野菜が出てたり初めて食べる野菜があったりで楽しかった。これも野菜の楽しさのひとつ。
四季ごとに旬の野菜があって本来その時期しか取れないもの。
夏に採れる野菜は熱い体の体温を下げてくれるものがあったり、冬場に取れる根菜は冷えた体を温めてくれる。知れば知るほど自然界というのは本当に良くできているなと思う。

そしてその自然に近い野菜が無農薬だったり化学肥料を使っていなかったりする有機栽培なのかなと思う。
でも直売所で買ってた普通の野菜も美味しかったから、有機栽培だから野菜は美味しいというのは少し違う気がする。

カブ畑とのらくら農場代表の萩原さん

じゃあのらくら農場の野菜はなにがそんなに違ったのかというと、これは僕の感想だが
野菜たちの「生命力」の違いな気がする、たくましく生きてました!感がハンパじゃない。
収穫体験させてもらったのらくらの有名な野菜の「かぶ」はまさにそう。
生で食べてみるとたちまち水分が溢れ出てくる(だいたいこぼれる)、そしてすごく甘くてスが入ってないバキバキなかぶ。
「春菊」に「ケール」くせのあるはずの野菜には嫌な苦味は一切なく、野菜のいい香りと甘みがきてすーっと引いてもう一口食べたくなって止まらない。

初めてのらくらの野菜を食べた時「かっこいい!」って言葉にしたのを覚えてる。
その食べた時に感じる生命力にかっこいいと言葉にしたのだと思う。

ケール畑
かぶはこんな実り方と初めて知った
かぶの収穫体験

この生命力は土を研究して、野菜が成長してきたら観察診断してあげて足りないものがあったら様々な菌など与えて育てるそう。
化学式の話や20種類の栄養素を混ぜる話など素人には難しくて理解するのは大変だが、野菜一つ完成させる工程を聞いてるだけで正気の沙汰じゃないのが分かる。
とても科学的で医学的で計り知れない研究の成果があの生命力の高いかっこいい野菜を育てているのだ。

そんなかっこいい野菜をのらくら農場では年間約60品も作っているという。
もちろん全部食べたいに決まってる。

この日の収穫祭はもうひとつ楽しみにしている事があって農場のスタッフ達が毎日自分たちで自分たちの為に作っている「まかない」を食べれることだった。
のらくらのInstagramで定期的に載せているまかない。
これがシンプルながらとても綺麗でレシピを真似して我が家で良く作っていた。

この日作ってくれたのも料理上手な友達の1人。
収穫祭の日はなんと2人で収穫祭に来た100人分の料理を作ってくれたらしい。
もう農家の垣根を超えててすごいよ。

この日のメニューはこんな感じ

もちろん全部絶品、美味しい野菜ならそれだけでご飯が進む。子供の頃なら思ってもいなかっただろうな。
帰宅後すぐ真似したのがまかないメニューにある「葉ねぎ」これをご飯にどっさりかけてどんぶりにすると絶品!もうご飯もお酒も止まらない。
不思議と香りも味も濃い葉ねぎだけれど胃もたれするような刺激は一切なく食べた後もすっきりしていたのは驚いた。
これも細かく研究されたのらくらの野菜だからなのだろうなと思う。感動

そして最後にデザートとして来たのが「春菊ケーキ」と「ケールアイス」
のらくらの代表野菜のケールのアイスは甘味とケールの良い香りと苦味が最高の組み合わせでまったく罪悪感のないデザートだった。
有機野菜×アイスは革命的だ。

葉ねぎ・ごま油・塩・ごまを混ぜただけの絶品おかず
春菊ケーキとケールアイス

収穫体験から代表とスタッフのお話にまかないランチまで、のらくら農場を満喫した一日だった。
何よりも実際食べてる野菜がこんなにも丁寧にスタッフみんなの愛情のもと育てられていて、それを自分の家の食卓に並べて食べてると思うと美味しさ倍増どころじゃない。心の底からいただきますって言葉が出るなと思う。

我が家に届いたちいさな畑セットS


そんな野菜達をのらくら農場のオンラインストアでは定期便や畑セットとして買えるようになっている、我が家ではSサイズを2週間に一回届くように注文している。これがすごく楽しみ、到着したら入ってる野菜で作るレシピが付いていておいしい野菜がおいしく食べれるようになっているのも嬉しい。
1年でどんな旬の野菜が届くのか「やさい暦」を冷蔵庫に貼って楽しみにすることをオススメする。


のらくら農場代表のTED Talksがすごく好きで、その話の中で「風邪ひいたらお医者さんに処方箋として薬じゃなくその風邪に効くのらくらの野菜を処方してもらう、そしてその野菜を保険適用にしてもらう!」って夢の話が大好きで、あの野菜を食べたら本当にそうなったら良いのにと思う。


野菜と自然のパワーに圧倒させられっぱなしの、のらくら農場収穫祭でした。
生命力みなぎるたくましい野菜達は、たくましいのらくら農場のスタッフ達が自然と向き合って作ってくれていました。
のらくらの野菜はほんとかっこいいよ。



illustration by SHINBU KAYO


のらくら農場
〒384-0701
長野県南佐久郡佐久穂町畑5645
電話0267-88-2952


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