My Creativity interview with Hico
NewMake Laboのディレクターであり、hico worksとして手編みやダーニングの作品を制作・発表するHicoさんのインタビューをお届けします。
Q. つくっているものはどんなもの?
『こんなものが転がっていたらいいな』とわくわくできるもの
作ることでわくわくしたいし、作ったもので誰かの日常にちょっとの空想とちょっとの物語を添えられて、わくわくしてもらえたら嬉しいです。作ることでそういう体験、小さな喜びを共有できたらいいな。
Q. つくり手Hicoとしての第一人称は?
『糸遊び人』
クリエイターという言葉はなんだか馴染まない気がして、「糸やニットで遊ぶ人」みたいな肩書きがいいなと思っています。余白やゆるさみたいなものが自分そのものなので、「私はクリエイターです」ということはないかもしれない。
Q. ものづくりを始めたきっかけは?
和裁師の『おばあちゃん』
5歳くらいまで田舎の母方の実家に住んでいて、その家には和裁師だったおばあちゃんの仕事部屋があって。おばあちゃんが常に何かを作っている人だったので、その姿がつくる原点です。
Q. インスピレーションはどこから?
日々の『ちょっとした』アクセント
道に落ちているものとか、意味はないかもしれないけど作り出されちゃったものやこぼれちゃったもの。そんな日々のちょっとしたアクセントが目に止まって、これどういう人が落としたのかな?と、そこにある物語を想像してみたり。
Q. 影響を受けた本や映画は?
江國香織さんの『とるにたらないものもの』
何度も読み返している、ふと目にとまったお弾きに考えを巡らせたりする小さなエッセイ集。基本的にはファンタジー、日常の延長にある空想の話が好きですね。
Q. とりいれるものはどうやって選ぶ?
『人の痕跡』が残っているものを感覚的に
完璧にびしって決まっている美しいものより、ちょっと欠けていたり使い古されていたり、人間味がこぼれてしまっているものに愛おしさを感じます。
Q.ニット・編むということの魅力とは?
『自由さ』『即興性』そして『柔軟性』
編めばそのまま立体にすることができる自由さ。量産のニットには数学的な側面もあるけれど、手編みは編み図も作らず即興的につくることができる。想像とちがっても、戻れるんです。編みなおせる柔軟性も魅力ですね。
Q. ものを作ることとは?
『人間を人間たらしめるもの』
ファッション業界にいると、シーズンというサイクルで消費するための歯車の中に自分がいて。ふと作ることは悪なのかなと思ってしまうけれど、作ることは人間の醍醐味。大量に作り続けていたら地球が壊れることはわかっているから、そこに携わるのはやめました。
それでもやっぱり作ることが好きだし、それは『=生きる』こと。私なりの持続可能な方法で、どうやったらハッピーになれるかを考えながら続けていきたいです。
Q. NewMake Labo Directorとしての展望は?
ここにしかない『化学反応』を起こしたい
NewMake Laboは皆がそれぞれの定義で集まってくる不思議な場所。ここで人が出会うことで何か化学反応が生まれて、自分もその一部だったらいいな。
柔らかな言葉と作品にみえる、HicoさんのCreativity。
―日常を紐とき、その糸で遊ぶー
彼女のCreativityをさがしに、NewMake Laboに訪れてみてはいかがでしょうか。
■NewMake Laboとは?
NewMake Laboはデザイナーやクリエイターなど「衣」に留まらず、多種多様な背景を持ったコミュニティメンバーが集まる活動拠点です。
国内外のブランドや企業から廃棄予定品をブランドストーリーと共に受け取り、機材や資材を活用して自由にNewMake(=アップサイクル)する場所となっています。
Laboにご提供いただいた機材・資材・素材は無料で利用することができる他、持ち込みで個人製作も可能です。
ミシン等の機材を使った制作の経験がない方でも安心して参加いただけます。
コミュニティメンバーがお互いの得意な領域を活かし創作を行うなど、
NewMake Laboがコミュニティだからこそ発揮できる価値がここにはあります。
→NewMake Labo インスタグラム
■NewMakeとは?
NewMakeは、“企業と個人が交わり、ソーシャルグッドなエンターテイメントを創っていくクリエイティブコミュニティ” です。
1つの企業や1人の個人だけでは解決できない多くの社会課題に、規模も立場も異なる仲間と共に取り組みます。
ソーシャルグッドなエンターテイメントを通じて、難しい言葉ではなく、作品や体験を通じて得られる感動を通し、地球に優しい本当の第一歩である「知る」きっかけを作ります。様々な素材を駆使するクリエイター、空間デザインや建築に興味を持つ方々など、幅広いクリエイターが参加しています。
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Director:Mayu Yoshimura
Designer:Yoko Owada
Photographer:Riki Saigo
Writer:Natsumi Kano