My Creativity interview with Genki
Q.クリエイターになったきっかけは?
アウトプットの手段が欲しかった
18歳の時、藤野町という場所で自給自足の暮らしをしていたんです。畑仕事をする中でふと、土から得るエネルギーを自分なりに表現したいと思ったことがありました。
それからご縁があって、夜の街の花屋でアルバイトをすることになった時に、自分や世界の中に探していたドラマチックさと道端に捨てられた新鮮な花束と重なったことが今の自分に繋がっている気がします。
Q.影響を受けた人は?
父と母。
僕の家族は少し変わっていて、それは、一見世間からは理解しがたい家族の姿かもしれないけれど、僕は不思議と、一切コンプレックスがなかった。
なぜだろう、と考えたとき、それは、父と母がいつも自由で正直で生き方が真っ直ぐだったからかなと思います。
レールの上を歩かせようとする大人たちに反抗して学校に行かなかった時も、父と母は放任主義。一方でその土地、その時しか経験できない様々なことを僕に与えてくれたんです。
世界の楽しみ方や、エネルギーの使い方を教えてくれたのは、二人の存在があったからかな。
Q.インスピレーションはどこから?
プリミティブな感覚。
大木を見たときに感じるエネルギー。畑仕事をしているときに感じる土のエネルギー。僕が作るものは、そんな生を感じるものを再構築することで、よりエネルギーを引き出せるようなものであることを意識しています。
Q.制作の軸になっているものは?
充実した関係性
幼い頃家族で暮らしていた山梨での暮らしを、6月から再開しました。
山梨では、生活そのものや、それを行う身体との充実した関係性が築けていると感じる。
僕にとって「充実」という言葉は、一方的なものではなく、ちゃんと関わること、向き合うこと、触れてみること。それって現代社会に最も欠けていて、そんな社会で求められている花の姿と重なるんです。
花も、僕たちも、決して一方的ではいけない。向き合うことは怖いけど、リアクションを返すことがまずは大切かなって思います。
Q. どのようにして今の表現方法に辿り着いた?
作品はいつも自分の写し鏡
世界に対して納得できなかったり、いつまでも満たされない願望の部分にこそ余白があって、そこを追求している感じですかね。
実は今でも、理想を作品に描いているつもりが、全然達せていないんです。
だからこそ、次の作品に繋げることができているのかもしれない。作品は僕の写し鏡なんです。
Q.好きな本は?
藤原新也の「印度放浪」。
彼なりに世界とぶつかった数々の記録は、読み返す度に色んな気付きがあって、奥行きを感じる。
これからも定期的に読み返すであろう、大切なバイブル本です。
Q. 好きな曲は?
大きな優しさを感じる真っ直ぐな激しさ
ロックバンド「GEZAN」は良く聴きますね。
激しい音楽ですが、単に怒鳴り散らすのではなく、激しさや尖が何か大きな優しさから来ている、そんなプリミティブなイメージが纏っている気がしています。
時代と世界がぶつかって出来たものを真っ直ぐに表す世界観が、同じ時代を生きるものとして感動するんです。
Q.好きなドラマは?
「北の国から」
脚本家の倉本聰さんのファンで、中学生の時は弟子入り願いの手紙を書いて自転車で会いに行ったこともありました。笑
人を動かす力に溢れた方はかっこいいなと思います。
Q.好きな場所は?
ディティールを味わえる場所。
山梨の家は、炊飯器も、お風呂もありません。
猿に囲まれて家から出られないときは、動物園の檻の中にいる気分を味わえますし、火起こしから始める夕飯の支度では、実際の火の熱さに驚いたりもします。
知っているようで知らなかったことについて出会いなおすと、いつも新鮮な気持ちになれる。細部までじっくりと味わえる山梨は、ありがたい場所なんです。
Q.座右の銘は?
自分の名前。
元気。父がつけてくれた名前です。人は気で生きるべきだという父の想いが由来。自分の気の向くままに世界中の芸術家たちとコラボレーションがしたい。
色んな場所、環境の中に暮らす人たちに会いに行って、もっともっと繋がっていきたい。
とにかく、繋がりが、関わることが。気になるんです。
だから僕は、自分の名前が、これからも座右の銘かな。
目の前のモノと対峙することは怖いけれど、だからこそそこに成長があり、進化がある。
朝市場で花を紡ぐ彼の横顔からは、花、暮らし、そして自分と常に向き合い、感じ、心で触れているからこその鋭さがありました。
■NewMakeとは?
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Director:Mayu Yoshimura
Designer:Yoko Owada
Photographer:Riki Saigo
Writer:Haruna Takeuchi
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