My Creativity interview with NAGASHI KII
Q.ものづくりの原点は?
─昔から「描くこと」が日常の中にあった
美術一家というか、大叔父(おばあちゃんの弟)が美術の先生で、父親も大叔父に美術を習っていたし、その息子である自分と兄も同じく大叔父に美術を習った。父親は西陣の帯の図案家で、今でいうところのデザイナーだった。母親は機織りをやっていた。昔から「描くこと」は日常の中にあった。
Q.影響を受けたものは?
─ホビーの延長。おもちゃ、としてのプラモデル
元々「立体」が苦手で図工への苦手意識が強くて、大人になっても30代前半ぐらいまでコンプレックスを感じていた。プラモデルをやっていたことで素地が出来上がったのだとは思う。
黙々と作るのが好きで、プラモデルをやっていたというよりも、単に「遊び」の一つだった。ただ、ロボットがかっこいいからつくる、それだけの理由。遊ぶことはなんでもやってた、とにかく遊んでましたね。いまみたいにテレビゲームはなかったから、外で遊ぶことが多かったし、じっとしていられない子供だったが、「遊び」だったから集中できたんだと思います。
Q.制作の軸になっているものは?
─楽しんでほしいという気持ち
自分よりも人が幸せな方がいいというマインドが強い。欲望が少ないんです。そういう気質ですかね。
楽しくいてほしいし、幸せでいてほしい、綺麗事なんかじゃなくて、普通にそう思っている。親がくれたものだと思っています。意識してそうしようなんておもっていない。僕、口が悪いので、怖がられたり傷つけてしまうこともあって危ういんですけど、本気でそうおもっています。
人に楽しんでほしいなという気持ちは常にある。誰かの必要に応じて生まれるものだけではなく、こんな組み合わせがあったらおもしろいかな、こんな変なものとかおもしろいかな、とか。
Q.好きな場所は?
─家
僕、外出ないんで!なんもなかったらずっと家。休みの日ソファーに座って、そのままずっと。気が付いたら夕方。テレビ見てるかなんか食べてるか。作業したい時もあればそうじゃないときもあるから。作業しなきゃと思いながら、過ごしてしまう。
Q.インスピレーションはどこから?
─日々、感じているものから
これいいかな、とおもったものがあればメモをとるようにしていたりする。誰かがやったことと同じことをするのは、負けた気がするし面白くない。意識的に人がやったことないことを探そうとしている。食事をすることや歯磨きすることと同じように、日常的に思っています。
制作する時は何のためにつくるものか、というものを大枠の方向性を決めて、それからどうするかを考える。何かテーマがないと考え始めはしないから、そうじゃない場合はアイデアは常に探している。
Q.『REshuse』という表現活動にどのように辿り着いたのですか?
─世の中にないものを、を遊び心で創り出す感覚
企業ベース、商品ベースで生まれにくいもの、世の中にないものをという、マインドがそうさせたかも。ブランドを混ぜたり、紳士靴とスニーカーを混ぜたり。New BalanceとNikeを組み合わせたらNewBalanceのNがNikeのNになるんちゃうかな、とか。楽しんで欲しいな、という遊び心。
あとはいまの環境かな。企業さんのところに伺う際に、ブランド違いのものを履いていくのは憚られるし、混ざってたらいいんちゃうかなと。そう思うと学校の仕事していなかったらこうはならなかったかもしれないな。
Q.ものを作る上で、欠かせないものは?
─人から求められること
人に何かを要求するよりも、人に要求された方がエネルギーになる。例えば、考課面談。上司からの「何かやりたいことある?」これに答えられない。無いんです。逆に「ぼくにやってほしいことありますか?」と聞きたくなる。周りの人が求めていることが、誰かが幸せになること、喜ぶことだから。
だから、人から求められることが必要かも。もちろん向いていることとか、やりたいことはゼロなわけではないし、欲求を持つように心がけているけれど、こういうのしてください、こういうのつくってくださいってと言われると喜んで動ける。
日常から得たアイデアを、確かな技術で創造物へと昇華させる。
その根底には、人々の笑顔を思い描く無邪気な遊び心が息づいていました。
Japan Leather Award 2024 へ出展中!
国産のなめし革などを使用した作品を対象に、バッグ・フットウェア・衣料服飾雑貨といった革を用いた製品の可能性を拓く、新たな発想・表現のできる人材の発掘と育成を目的に一般社団法人日本皮革産業連合会が主催する、国内最大の革製品コンテスト。
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