NEW LEADER LIBRARY📚(`22/4)
痛いのは嫌だ、楽に死なせてほしい
余命が分かったら誰もが望まないのか?
人間の尊厳とは一体、何なのかを考える
高校時代からの友人が寝たきりになった。脳出血で脳の半分が破損し、記憶も言語機能も失われた。医師は、命は維持できるが意識は戻らないだろうと宣告した。
それから2年、友人はリハビリ病院のベッドに横たわったままだ。
彼の身に起こったことが、自分に起きたらどうしようかと時々考える。何年もリハビリ病院の費用を払う資力は自分にはないし、何も分からないまま、胃瘻や排尿や点滴やらの管に繋がれたまま生かされるのは嫌だ。でも苦しいのは嫌なので、緩和ケアはしてほしい。そして、回復の見込みがないなら、延命治療は止めて欲しい。だが、どうしたらそれが出来るのか。家族に言っておくだけでそれが出来るのか。気がつけば、安楽死が他人事ではなくなっていた。
本書は、欧米6カ国の安楽死を施す医師と患者に取材したルポである。