隠された世界を映しだす普遍的な数理でリチウムイオン電池、がん、防犯を見る眼の変革 ─Integral Geometry Science─ (インテグラル・ジオメトリ・サイエンス)
リチウムイオン電池から防犯まで
「見えないものの内部を見る」安全性検査
リチウムイオン電池は、現在、ノートパソコン、スマートフォン、電気自動車(EV)その他の電源に幅広く使われ、常に注目を集めている。正確にはリチウムイオン二次電池(蓄電池)であり、正極と負極の間をリチウムイオンが移動して電極で反応することにより充電・放電をする。急速充電でき、高出力で長持ちする電池である。
しかし、リチウムイオン電池は不具合が起きると発熱や発火の危険性がある。むろん出荷前には安全性試験(エージング試験)が実施されるのだが、試験を経て市場に流通したものが発火等の事故を起こしたこともあり、安全性良否判断の高度化が求められている。
発熱や発火事故などに至ってしまう原因は、主としてリチウムイオン電池内部の電流密度が不均一な製品が混入してしまうことによる。その不均一の度合いが、充放電を繰り返すことによって大きくなってしまうと発熱や発火につながりやすくなる。
そこで製品の検査時にリチウムイオン電池内部の電流密度分布状態を