コロナ下で世界トップの銀行は 何で儲け、何で損をしてきたか
消費者部門が赤字転落
引受、トレーディングは絶好調
新型コロナウイルスのパンデミックが宣言されてから1年半近くが経った。このコロナ禍の中で世界トップクラスの銀行はどのように収益を上げてきたのか。銀行として利益や時価総額で世界首位を走る米JPモルガン・チェースを例にとって検証してみよう。
同社の事業は4部門で構成される。第1に、個人向け事業融資、住宅ローン、クレジットカード、自動車ローンなどから成る『消費者部門」。第2に、債券・株式の発行引き受けやM&A仲介、トレーディングが主体の「投資銀行部門」。第3に、国内外の中堅・大企業向け融資や資金管理、商業用不動産向けローンが中心の「商業銀行部門」、第4に、富裕層や機関投資家向けの資産運用、投資信託の運用・販売などから成る「資産運用部門」である。これら4部門のどれもが業界屈指の実力を誇り、総合的なバランスに優れているのが同社の特徴といえる。