食料安保に大きな影、「飼・肥料価格」高騰 みんなが農業のあり方を真剣に考える時だ

農産物以上に自給率が低い飼・肥料や種子
生産の命綱に対する“ダブル・パンチ”

 ただでさえ先進国最低の食料自給率が過去最低水準で低迷する日本。ウクライナ危機の長期化、円安高進で食べるものが次々と値上がりする中、やはり海外依存度が大きく、日本の食料安全保障に一段と暗い影を落としているのが飼料や肥料、生産資材の高騰だ。

 有力な生産・輸出国であるロシアに対する経済制裁による輸入規制、他の生産国の輸出抑制、さらに気候変動要因などによって、昨年来、上昇傾向を辿って来た国際価格は、弾むように上昇。飼・肥料、青果物の種子など、いずれも「輸入頼み」の日本は、農産物生産、ひいては国民生活に一層重大な打撃を受ける恐れが大きい。

ここから先は

2,355字
この記事のみ ¥ 200