日本は輝いていた 夢よ再び 産業立国になって豊かになるために
信じられないかもしれないが
若い人、と言っても40代の人も知らないだろう。かつて日本の産業が世界をリードしていたことを。自動車は言うまでもなく、繊維、家電をはじめとする電機、そして半導体では世界シェア50%以上も手にしていた。
が、1980年ころから世界は「グローバル化」に走り、生産は労働コストの低い国へ移していく。世界の工場となった中国がその典型だ。だが、技術を習得した中国はいまや覇権帝国になってしまった。安価と標準化が進み、マーケティング力の弱さも祟り日本のモノ創り力も発揮できない。日本の産業はグローバル化の嵐になぎ倒される。唯一、元気だった日本の自動車産業も、世界のEV化の流れから外れてしまそうだ。
さらに、少子化、人口減少が日本経済の衰退に拍車をかけている。国民の平均年収に近い「1人当りのGDP」は、日本は442万円、アメリカは690万円、GDPで追い越されそうなドイツは540万円。日本は「貧乏な国」になった。
「グローバル化」とは、世界全体が価格切り下げ競争を繰り広げる「底辺への死闘」に突き進み、ある一部のものが儲け、誰もが疲弊するという道ではない。