成長を取り戻すための処方箋(下) 新説「公共貨幣理論」をさらに検証する
現行の「債務貨幣システム」に根本的な欠陥
銀行の「信用創造」は、借金マネーが実体経済を超えて回転・拡大していく現代金融の落とし穴であることは前号で述べた。
公共貨幣理論では、現行のマネーシステムは銀行が企業や個人に「利付き借金(債務)」として貸し出し、利息を取ってお金の価値を増やす「信用創造」のメカニズムで動く、とする。『公共貨幣入門』(山口薫・山口陽恵共著)によれば、この銀行の貸出システムで日本のマネーストックの実に99%が利付き債務として経済に供給されている。