第20 回 芥川龍之介『世之介の話』

色の道よくぞここまで、感嘆しきり
井原西鶴『好色一代男』の主人公・浮世之介

 またまた芥川龍之介で恐縮だが、彼に『世之介の話』という短編がある。これも、恋愛を考える参考になる。世之介というのは、言わずと知れた井原西鶴『好色一代男』の主人公・浮世之介のことである。

 私は学生時代、文学史の教科書で著者の名前や、好色な主人公と、数多の女性たちとの恋愛と性を描いた浮世草子であることを知ったが、草子そのものを読んだことはない。

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