台湾有事と日本の軍事体制強化 日本はただ巻き込まれるだけなのか
「台湾有事」は「日本の有事」と刷り込まれた
日本の2022年の今年の漢字は「戦」であった。その象徴ともなったプーチンの戦争は誰もが止められず、アメリカ、EUはウクライナに兵器を供給して、戦争を煽っているようにも映る。
世界はいまアメリカ、EU、日本のような「民主主義国」と中国・ロシアなどの「権威主義国」とインド・サウジアラビア・ブラジル・オーストラリアなどの「独立国」の3グループとなり、それぞれ対立する構造になってきた。そうした中で「戦争という空気」が世界的に煽られている。
最近、米韓の軍事演習、日米の軍事演習、インド・アジア洋での米独の軍事演習が頻繁に行われている。それに対して中国の台湾・南ア諸島での海・空軍の威嚇演習、尖閣諸島への中国艦船の航行、北朝鮮の頻繁なミサイル発射、ロシア海軍・空軍による北海道近辺での威嚇演習が行われている。
21年3月、フィリップ・デイビッドソン・インド太平洋軍司令官がアメリカ議会の公聴会で「これから6年以内に中国が武力で台湾を統一する可能性がある」と述べた。この発言の直接の目的は、アメリカの軍事予算を増大するためのものであったと言われ、実際51億ドルの軍事予算を獲得した。