台湾侵攻なんて本当にあるのか 米国の嫌中感がもたらす世界経済大混乱
雪解けムードも消し去った気球
マッカーシー下院議長台湾訪問計画で最悪
昨年11月の初の対面首脳会談以後、雪解けムードが徐々に出ていた米中関係が、再び緊張方向に転じてしまった。首脳会談のフォローアップとしてアンソニー・ブリンケン国務長官が数年ぶりの米中ハイレベル高官会合のため訪中する直前のタイミングで、中国の偵察用とみられる気球が米本土上空への侵入が発覚したからだ。米国は気球が大西洋上まで飛行するのを待って撃墜。
中国側が「気象観測用の気球であくまで予定経路を外れて漂流してしまった」との「悪意なき事故」を主張するのに対し、米国は気球が大陸間弾道ミサイル基地のあるモンタナ州上空などを飛行していたことなどから中国側の説明には納得せず、ジョー・バイデン大統領が命令する形で撃墜に踏み切った。
これに対し、中国側は「米国の過剰反応」と強く反発。米国務省はブリンケン訪中は「中止ではなくあくまで延期」とし、取り合えず同長官との電話会談を中国側に提案したが、中国側はこれも拒否、対話醸成ムードは一気にしぼんでしまった。