フローvsストック 豊かさとは何か?ストックの「質」が問われている

「フローvsストック」
経済用語の基礎知識で分かること

 筆者の中原は、保育士を目指す短大の学長をしていたことがある。女子学生は志望動機について「子どもが好きだから」と語るのだが、将来については「お金持ちと結婚したい」と願望をチラリと漏らす学生も多かったものだ。

 そんな時「お金持ちには2種類あるんだから気をつけなさい」とアドバイスすると、彼女らは俄然興味を持った。分かりやすく「時流に乗った仕事で高収入を得て派手に飲み歩いているお金持ちもいれば、世田谷に1000坪の敷地の自宅を持っているお金持ちもいる。結婚するなら、どちらのお金持ちがいいのか考えなくてはね」と説明した。

 「フロー」と「ストック」という経済用語がある。フローとは流入、流出する量を意味し、ストックは途中で蓄積される量を指す。国家で言えばフローは例えばGDP、ストックは国富(資産から負債を除いたもの)である。企業会計ではフローは損益計算書、ストックは貸借対照表。家計では、フローは収入と支出であり、ストックは保有する預貯金や株式などの動産と、家・土地などの不動産の財産だ。

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